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Kindle Touchは買いなのか?

オンライン書店大手のAmazonの電子書籍用端末Kindleがついに日本発売。サービス開始も秒読みで、普及が進む電子書籍業界への起爆剤になりうるか? ◆安価で軽量、電子書籍の「黒船」Kindleが上陸!
Kindle

自炊データはUSBで移行。大きさは小さめのシステム手帳程度で厚さ10mm程度。213gと軽量なのも嬉しい。表面はラバー処理されて質感も○

 世界最大のオンライン書店Amazonは、現在アメリカなどで精力的に展開し、電子書籍を普及させている。電子書籍は紙の書籍と違いかさばらず、電子書籍をダウンロード購入すれば、書店に行かなくてもすぐに読み始められるのが魅力だ。また、ほとんどの場合、価格も紙の書籍より安い。アメリカではすでに100万部を超えるベストセラーも出し、普及が急ピッチで進んでいる。  同社が販売しているKindle(キンドル)は、この電子書籍マーケットを支える基幹製品であり、電子書籍を閲覧するための端末(リーダー)だ。今年から、米Amazonのサイト経由で日本へも発送が始まった。発送されるのはKindleが109ドル、タッチパネル搭載のKindle TouchのWi-Fi対応版が139ドル、Wi-Fi/3G対応版が149ドルになる(広告表示の廉価版あり)。これらの製品の特徴は、軽量で持ち運びに便利なこと、白黒16階調ながらE-インクを採用し、紙に印刷されたような表示で、日光の下でも問題なく読むことができる。また、長寿命が特徴で、フル充電から6週間以上も充電の必要がないのも大きなポイント。4GBの内蔵メモリを搭載して約3000冊のデータを持ち運ぶこともできる。Kindle TouchではさらにiPadのようなタッチパネルを搭載し、画面の拡大縮小も指だけでOK。現在の主力機種として注目されている。  これまで、米国内など電子書籍サービス提供国以外への輸出はしなかったKindle、Amazonが日本への輸出を開始した理由について、デジタルライターの久保内信行氏は、次のように語る。 「今年中に、日本でもAmazonの電子書籍ストアが発表される布石でしょう。Kindle Touchの輸出開始が騒がれるのも、サービス開始が秒読みに入った期待感だと思います」
米Amazon.com

米Amazonのアカウントを作成し、発送先に「JAPAN」を選べばOK!

 現在、購入する場合は、米Amazon.comでアカウントを作成し、Kindleコーナーで送付先国名で日本を選べば、航空便で3~4日で到着する。ただ、現在日本では対応する電子書籍ストアがないため、自前のデータや、青空文庫など、または、既存の紙書籍を裁断してデータ化するいわゆる「自炊」データの閲覧が主だ。 「今年、日本でも出版業界の“黒船”とも言えるAmazon電子書籍ストアがオープンすれば、輸入ナシでKindleが入手できるようになると思います。大手出版社の角川グループが書籍の提供に合意し、業界内も上半期と噂されるAmazon電子書籍の日本サービス開始に向けて急ピッチで動いています」(久保内氏)  電子書籍元年と言われた2010年から2年、Kindle Touchを旗頭にして、Amazonが停滞気味に見えた電子書籍の潮流を加速させそうだ。 ― [Kindle Touch]は買いなのか?【1】 ―
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