ライフ

「書店でトイレに行きたくなる現象」の正式名称、知ってる?

書店 誰もが一度は「書店に行くと、なぜかトイレに行きたくなる」という経験、あるのではないでしょうか。「インクの匂いで便意をもよおす」とか「書店に入るとトレイに行けないという緊張感のため」など諸説あるようですが、まだはっきりとした原因はわかっていないようです。これらの説は多くの人が聞いたことがあるとは思いますが、この「書店でトイレに行きたくなる現象」に正式名称がついているのは知っていますか?  今回は、「そんな現象に正式名称があったの!?」と思わず突っ込んでしまいたくなるようものを集めてみました。 【1】書店に行くと、なぜかトイレに行きたくなる  1985年に、青木まりこさんという女性が『本の雑誌』の読者投稿欄に投書した体験談が反響を呼び、「書店に行くと、なぜかトイレに行きたくなる」ことを「青木まりこ現象」と命名されたんだとか。この現象の原因ははっきりとしていません。 【2】同じ文字をジーっと見ていると「アレ、こんな字だっけ?」と変になってくる ゲシュタルト崩壊 1つの漢字をボーっと見ていると、何だか訳がわからなくなってくることありませんか? この現象は「ゲシュタルト崩壊」といって認知心理学の分野として研究されているが、いまだに解明されていない部分も多いそうです。ちなみに、「借」とか「傷」のような、バラバラに認知しやすい漢字を見続けると、ゲシュタルト崩壊しやすいんだとか。 【3】ふと時計を見ると、時間が止まっているように感じること 腕時計 カチカチと動く時計の秒針をふと見たら、数秒止まって見えて「あれ、時計が壊れているのかな?」と思ったことってありますよね。これは錯覚の一種で「クロノスタシス」と呼ばれているそうです。小さい頃、ときどき時計が止まって見えて、「自分だけの特殊能力かな?」なんて思ったものですが、そんなわけないですよね。 【4】止まっているエスカレーターを歩くと、めまいがしたり違和感がある エスカレーター エスカレーターに乗ろうと思ったら故障中などで止まっていて、歩いて上らなくてはいけないとき、何だかめまいがしたり、クラッとしたり、違和感がありますよね。通常、エスカレーターに乗ると、転倒しないように自然と脳が働いて重心を前にするそうですが、実は止まっているエスカレーターでも同じように脳が判断してしまい、違和感を覚えるそう。名前もそのまんまで「壊れたエスカレーター現象」や「故障エスカレーター現象」と名づけられていて、2003年頃から研究され始めたという。 【5】ずっと一点を見つめていたら、大小感覚とか遠近感が狂ってくる現象  ゲシュタルト崩壊やクロノスタシスと同じく、小さい頃、すごく大きく見えたりして不思議な感覚になることがありませんでしたか? これは、エプスタイン・バール (EB) ウイルスというヘルペスの一種の初期感染で起きる中秋神経系の炎症だと考えられているそうです。このEBウイルスは、日本人は子供の頃にほとんどの人が感染するため、小さい頃にこの不思議な現象を体験している人は多いとか。『不思議の国のアリス』のアリスが薬を飲んで大きくなったり小さくなったりすることにちなんで、この現象を「不思議の国のアリス症候群」と呼ばれています。 【6】ケータイのバイブが鳴ったと思って見てみると、メールも電話も入ってない現象  個人的にはあまり経験がないのだが、ケータイをポケットなどに入れていると、着信があってバイブが振動したように感じる現象のことで、「ファントム・バイブレーション・シンドローム(幻想振動症候群)」と呼ばれているそうです。着信通知をバイブに設定して、振動に敏感になっている状況で起こりやすいとか。 【7】寝てるとき、ビクッとなる現象  高いところから落ちる夢を見たりして、ビクッと起きたことありますよね。これ、電車のなかでウトウト寝ているときにやってしまうと妙に恥ずかしいのですが、「ジャーキング」と呼ぶそうです。筋肉の無意識に起こる痙攣の一種で、眠いのを我慢してずっと起きているときや、異常に疲れているときに起こりやすいですよね。 【8】かき氷を食べると頭がキーンとする カキ氷 暑い夏はカキ氷やアイスがおいしいですよね。でも、一気にカキ氷を食べて頭がキーンと痛くなってしまうことがよくあります。これは「アイスクリーム頭痛」と呼び、医学的にもけっこう研究されているそうです。冷たいものを一気に食べて喉の神経が刺激されると痛みと感じてしまうのですが、その喉の痛みを「関連痛」というメカニズムで“頭痛”と勘違いしてしまうためだとか。 【9】冬の晴れた日に太陽を見たら、くしゃみが出やすい  くしゃみが出そうで出ない……そんなムズムズした感覚のとき「太陽を見ると、くしゃみが出やすいよ」と教えてもらったことがあります。まあ、くしゃみは出なかったのですが、皆さんも聞いたこと、やってみたことがあるのではないでしょうか。光刺激が誘引となってくしゃみがでる現象で、「光くしゃみ反射」とそのままのネーミング。だいたい日本人の4人に1人が、太陽を見てくしゃみをすることができるそうで、「光くしゃみ反射」は遺伝するんだとか。 【10】なんでもない写真なのに、心霊写真のように陰や物が人の顔に見えてくる  夏になると増えてくる心霊写真の話題。何でもない風景写真なのに、3つの点が集まると人間の顔に見えてくることってありますよね。これは「シミュラクラ現象(類像現象)」という錯覚。顔認識機能がついている最近のデジカメを使っていて、人の顔以外のところを顔だと認識してしまうことがあるのはちょっとドキッとしてしまいますが……。 【11】おしっこした後に身震いする  寒いときに体がブルブル震えるのと同じ「シバリング」という生理現象の一つで、体温が下がったときに筋肉を動かすことで熱を発生し、体温を保とうとする現象のこと。ちなみに、「SHIVER」は「(恐怖や寒さで)震える」という意味だそうです。  日常でよく体験するけれど、正式名称があまり知られていないと思われるものをご紹介しました。漢字を見ていて何だか訳がわからなくなったら、「あ、ゲシュタルト崩壊してる!」などと思い出してみてください。 <取材・文/横山 薫>
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート
ハッシュタグ