「この女、かっこいい!」――46歳のバツイチおじさんは影のあるクール美人に心を奪われた〈第21話〉
エラはこの後も店に戻って働かなかればならないらしく、LINEを交換し、その場を去った。馬見新ちゃんは、明朝タイのバンコクに行くらしい。握手をし、ここでお別れした。
翌日、お昼前に目が覚めるとLINEにメッセージが入っていた。エラからだ。
エラ【昨日はありがとう。楽しかった】
律儀な娘だ。
俺 【こちらこそ】
思い切ってごはんに誘ってみた。ちなみに文章は全て英語での会話だ。
俺 【ねぇ、一緒にごはん食べない?】
エラ【いいよ】
あっさりOKしてくれた。
俺 【どこかおいしいレストラン知ってる?】
エラ【知ってるけど、あなたの好みがわからないわ。何食べたい?】
俺 【何でもイイよ。俺はオリンピックスタジアム近くのホテルに泊まってる】
エラ【なんて名前のホテル? 私、あなたのホテルまでトゥクトゥクで迎えに行って、レストランまで連れてくよ。イイかな?】
俺 【イイよ!! Fairy Place Guesthouseってホテルに泊まってる。何時にしようか?】
エラ【14時30分~15時の間かな】
お互いにぎこちない英語のやり取りだが、初めて英語のメッセージで外国人をデートに誘い、OKをもらった。しかも迎えにまで来てくれる。素直に嬉しかった。「セブ島のスパルタ英語学校で勉強しておいて良かった~!」と心から思った。
その後、シャワーを浴び、髭を剃った。
「よっし! デートだデート! 外国人と初デート!!」
46年の人生で、アポ入れから待ち合わせまでをクリアし、初めて外国人とちゃんとデートすることになった。
胸が高鳴る。
14時26分にメッセージが入った。約束より4分早い。
エラ【着いたよ~】
メッセージを見て慌ててホテルの外に出た。すると、トゥクトゥクの中から身を乗り出したエラがこっちに向かって手を振っている。
夜に見る姿とは違い、爽やかな笑顔だった。俺は急いでトゥクトゥクに乗り込んだ。
俺 「わざわざ、ありがとう!」
エラ 「いいよ~」
俺 「で、どこのレストランにしたの?」
エラ 「タイ料理のおいしいレストランがあるからそこを予約した。タイ料理大丈夫?」
俺 「もちろん! タイ料理、大好き」
<バックナンバー>
【第20話】「運の流れを変えなければ」――46歳のバツイチおじさんはカジノに活路を見出そうとした
【第19話】「俺、ここで死ぬかも」――46歳のバツイチおじさんは窓のない部屋で生死の境をさまよった
【第18話】「俺は女性の涙に人一倍弱い」――46歳のバツイチおじさんは彼女の悲しい表情に胸が締め付けられた
【第17話】「なんだか新婚旅行みたいだね」――46歳のバツイチおじさんは象の背中の上で彼女に微笑みかけた
【第16話】「こんなところで漏らしたら大惨事だ」――46歳のバツイチおじさんは全神経を集中させてトイレを探した
【第15話】「俺は今、自分を見失っている」――46歳のバツイチおじさんは旅を立て直すために大きな決断を下した
⇒【第1話】からの全バックナンバーはコチラから
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【第19話】「俺、ここで死ぬかも」――46歳のバツイチおじさんは窓のない部屋で生死の境をさまよった
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【第16話】「こんなところで漏らしたら大惨事だ」――46歳のバツイチおじさんは全神経を集中させてトイレを探した
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