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防衛大学で学んだスキルがきっかけで“人事のプロ”になった男

 3月に行われた防衛大学校の卒業式では、任官拒否者が全体の1割以上となり、過去4番目の多さとなった。では、彼らは卒業後、どういう人生を歩んでいるのだろうか? 任官拒否した防大OBに語ってもらった。
任官拒否[防大卒業生]の知られざる進路

※写真はイメージです

任官してすぐ辞職し、人事のプロとして活躍中

●Eさん(20代)現在の年収:700万円/大手人材派遣会社に就職⇒社労士の資格取得⇒大手鉄道会社に転職  防大の受験日程は、入学前年の9月だ。そのためなかには“模擬試験”として活用する者もいる。Eさんもそんな消極的な合格者だ。  だが、合格後に「学費無料、給料支給」という条件に惹かれた。 「国立大はすべて落ちたので、どうせなら防大生活を謳歌しようと。任官拒否も考えましたが、特別職国家公務員なので就活も難しい。だから一旦、任官して4月中旬に自衛隊を辞めました。6月に大手人材派遣会社に就職しました」  Eさんの場合、正確には任官拒否ではなく早期退職だ。人材派遣会社では、「雇用主と労働者は対等な契約関係」という考えに戸惑ったが、防大で培ったマニュアル作成スキルが評価され、人事の専門家になると決意した。  在職中に社会保険労務士の資格を取得し、その後、大手鉄道会社に人事のプロとして採用された。 「組織を動かすのは人。だから自分は防大で学び、人材派遣会社で磨きをかけたマネジメント力をアピールしました。今は人事マンとして鉄道会社の収益増に微力ながら貢献しているつもりです」  Eさんは防大に感謝しかない。 ― 任官拒否[防大卒業生]の知られざる進路 ―
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