更新日:2022年07月10日 11:13
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刺青=ヤクザ!? 暴力団排除の巻き添えを食う「刺青・タトゥー」愛好家たち

 だがよく考えれば、最初から刺青が隠れる長袖長ズボンで来店すればトラブルもないはず。なぜ風呂に入るわけでもないのに無用のモロ出しをして人前に現れるのだろうか。ここに刺青への逆風がやまない理由がありそうだ。  インスタグラムのフォロワー数13万超。世界で最も有名な彫師の一人である三代目彫よし氏は、彼に彫ってもらうためだけに初来日した米国人の左足の刺青を小気味よく仕上げながら、記者に刺青の美学を教えてくれた。 「刺青は死んで閻魔大王の元まで持っていける唯一の財産で、それを彫るのは自分の価値観だけでやればいいこと。決して誰かと比べたり自慢するものではない。街を歩いている誰もが刺青をおおっぴらに見せて歩いているような世界では、刺青はその本来の魅力を失ってしまう。刺青は蛍と同じで、暗いところでこそ光るもの」  彫師という存在もまた裏道渡世を歩む日陰者だ、と彫よし氏は謙遜するが、彼の刺青を求めて海外から並み居るセレブが日本にやってくる。日本の刺青は外国人にとって憧れの的だという事実を、日本人は知らないのである。
タトゥー

※写真はイメージです

取材・文/野中ツトム・西山大樹(清談社) 遠藤修哉(本誌) ― [刺青は排除すべき]大論争の行方 ―
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