ヒットマンVSラモン@“ロイヤルランブル”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第136回
1月のスーパーイベント、“ロイヤルランブル93”(1993年1月24日=カリフォルニア州サクラメント、アーコ・アリーナ)の目玉カードは、“ヒットマン”ブレット・ハート対レーザー・ラモンのWWE世界ヘビー級選手権と30選手出場・時間差式変則バトルロイヤル“ロイヤルランブル”の2本立てだった。
ブレットのチャンピオンとしての日常は3カ月めを迎えようとしていた。チャンピオンとしての日常とは、チャンピオンベルトを腰に巻いてメインイベントのリングに上がること、メインイベンターの責任としていついかなるときでもアリーナに足を運んでくれたお客さんを満足させる試合を提供しつづけることである。
ブレットは、ハルク・ホーガン的でもリック・フレアー的でもない、まったく新しいチャンピオン像をめざしていた。ホーガンはどんな対戦相手でも“ホーガンの型”にはめ込んでしまう究極のワンパターンを確立したチャンピオンで、フレアーはホーガンよりも持ち技のレパートリーは豊富だったが、そのレパートリーをつねに順番どおりに消化していくタイプのチャンピオンだった。
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