“ヒットマン”ブレット・ハートのいらだち――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第141回
ルーガーはWCW退団後、1992年にWWE傘下のボディービル団体WBF(ワールド・ボディービルディング・フェデレーション)と契約。プロレスラーからプロボディービルダーへの転向を図ったが、その後、WBFプロジェクトそのものが中止となったためルーガーもプロレスラーとして再商品化された。
ビンスは、ルーガーをホーガンのようなタイプの純正ベビーフェースに変身させようとしていた。コンセプトもホーガンとまったく同じWASPのオール・アメリカンで、イメージカラーはレッド&ホワイト&ブルーの星条旗カラー。
ビンスが思い描くところの“サマースラム”のクライマックスは、もちろんルーガーがヨコヅナの超巨体をボディースラムでキャンバスにたたきつけるシーンだった。かんたんにいってしまえば、ビンスはあくまでもホーガンの“代用品”を求めていた。
「チャンピオンのリングコスチュームはシンプルなショートタイツとリングシューズ」がビンスの持論だったが、ブレットはカルガリー・スタイルのシングレット&ロングタイツにとことんこだわった。ブレットはビンスの突然の“ルーガー起用策”を侮辱ととらえた――。 (つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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斎藤文彦
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