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日本で消費される「チリ産サーモン」の養殖が海洋汚染を引き起こしている!?

調査なき海洋投棄を政府は2日で許可

 死んだサーモンの処理に困った養殖業者は、政府に海洋投棄の許可を申請。チリの海洋法では海への廃棄物の投棄は禁じられているにもかかわらず、政府はたった2日後に許可を出したという。 「政府が許可の拠りどころとしたのはロンドン条約。これによると、事前に廃棄による影響調査を行って生態系や人々の海の活用に影響を及ぼさないと判断された場合のみ、投棄が許可されます。しかし、チリ政府は事前の調査を全く行わなかった。それなのに『投棄と異変の関係は一切ない』と政府は断言。このことで人々の不満や怒りが政府に向け爆発し、私たちが行った政府への抗議署名も、開始1週間後に7万筆が集まりました。今後も長期的な視野で、こうした生態系の危機を繰り返さないための規制強化や地元民への支援を求めています」(ゴンザレス氏)  チロエ島民の多くは漁業を重要な収入源としてきた。近年は漁業資源が激減し、赤潮や今回の海洋異変もあって多くの人が職や食べ物にも困っている。そこで、何千人もの島民が団結して港を閉鎖、養殖業による海洋汚染とサーモン投棄に抗議している。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1145422
抗議するチロエ島の漁師の家族

大量の魚や海鳥が打ち上げられ、漁ができなくなったことに抗議するチロエ島の漁師の家族

「漁業者は生活のため伝統的な漁業をしたいと思っているが、資金力のある養殖場経営者は行政と結びつきながら養殖業のために漁場を買い占めていく。かつては水質もよく漁業資源も多かった海はどんどん汚染が進んでいく。漁民が生活のために立ち上がるのも当然でしょう」(佐野教授)  サーモン養殖による海洋汚染で、養殖産業以外の漁業関係者への悪影響を与え、地元水産業の雇用喪失や貧困問題を招いているマイナス面が指摘されている。このことについて、チリのサーモン養殖業を広め、「新産業による雇用創出や貧困問題改善に貢献した」とのプラス面を強調しているJICAに聞いてみたところ、「コメントできる立場にない」と回答した。  日本はチリ産サーモンの一大消費地。「日本人は、もっと自分の食べるものがどうやってつくられているかに関心を持つべきです」と佐野教授は強調する。
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価格に環境コストが反映されていない
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