サイバラ御殿は「不幸のパピコ館(やかた)」
西原:いや、だって夫(鴨志田氏)は重度のアル中で、末期がんで……死ぬ間際まで、本当に最悪のクソだったからね。自分の不幸を描いた漫画ででっかい家建てて、もう一軒は夫の死んだお金で建てた。だから、西原家は「不幸のパピコ館(やかた)」と呼ばれています(笑)。こういうこと言うと、娘が「お母さん! お父さんの死をネタにして!」って怒るんですけど。
生島:不謹慎な母親(笑)。でも、私ときどき西原さんの娘さんと2人でご飯を食べに行くことがあるからわかるけど、彼女はちゃんと理解してますよ。
西原:そうかな。ただ、こうやって外ではボロクソ言いますけど、私から父親の悪口を子供たちに言ったことはないんですよ。というのも、私の母親、というかあの年代の女の人ってさ、「あんたらの幸せを考えて」とか「あんたらがいるから」って子供のせいにするじゃん。「私は何も悪くないのに! なんでこんなに耐えて、苦労しなきゃいけないのよ!」って。すぐ悲劇のヒロインぶるじゃない。けど、ぶっちゃけ「それはお前の頭が悪いせいやないの?」と思うわけですよ。人のせいちゃうやろ、と。
――クズから逃れるには自立することが肝心……これは、「出会いがない」と嘆く婚活中の女性にも言えることかもしれません。
西原:そういう人には、「とりあえず手当たり次第くわえとけ!」って言いたいですね。静かに、水面下でパクパクと。不味かったら、ぺぇっと吐き出してしまえばいい。仕事もしたい女性は、仕事のできる男のチンポくわえなさい。基本的に男の人って教えたがりだから、自分という商品のどこを特化したらいいか、教えてくれます。仕事は寝て取れじゃない。寝て、教えてもらって、自分のものにすれば良い。キャッチ&リリースですよ。
20代に3人くらいと付き合って、4人目と結婚して、その人がダメだったら「あぁ! もうこの世の終わりだわ~」みたいに思うのかもしれない。けど、世の中に、男はその人だけじゃないからね。
生島:「私にはこの人しかいない症候群」。これ、ほんま危険ですね。
西原:危険だよ。それと、いまだに結婚を人生のゴールと考えてる女子が多いでしょ。けど、「最大の優先権は卵子にある!」ってことも、声を大にして言いたい。夫は後からでも変えられるけど、卵子は無理だから。子供が欲しいのかどうか、年齢によって人生戦略も変えていかないと。
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『まつりのあと』
欲望の向こう側に広がる儚い人間模様が描き込まれた連作短編集
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