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“あの男たち”がWCWマンデー・ナイトロ乱入――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第227回(1996年編)

 試合終了後はショーン、トリプルH、ナッシュ、ホールの4選手がリング上に集結し、屈託のない笑顔で握手を交わし、ベビーフェースとヒールというポジションのちがいとは関係なく抱き合い、パンフレットに記載されていないカーテンコールを演出。1万8800人の大観衆もこの予期せぬラストシーンに涙し、大きな拍手を送った。  WWEからはそういった公式発表はいっさいなかったにもかかわらず、情報収集のノウハウを身につけているニューヨークの観客はこれがディーゼルとレーザー・ラモンのWWEにおけるラストマッチだということをちゃんと知っていた。  バックステージからこの光景を目撃したWWEのエグゼクティブはすぐにサブコントロール・ルームからマイクのスイッチを切り、照明を落としてリング上を真っ暗にした。TV収録のないハウスショーだったため、その日、ビンス・マクマホンはガーデンには来ていなかったが、その場にいたエグゼクティブたちはクリック=派閥の4人組の“想定外の行動”をなんとか阻止しようとした。これがいまも語り継がれる“カーテンコール事件”の一部始終だ。  数日後、コネティカット州スタンフォードのタイタンタワー(WWE本社ビル)への“出頭”を命じられたショーンとトリプルHは、ガーデンのリングでの“未許可のアクション”に関する事情聴取を受け、ビンスから厳重注意・減俸を通達された。
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“カーテンコール事件”から8日後…
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