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4000円の「新左翼写真集」が10万円に高騰したワケ

 ’60年代の全共闘運動、ブントなどの新左翼諸派をテーマにした写真集が密かな人気だ。投機目的よりもむしろ一部のマニアの注目が集中して値段が高騰。有名な写真家が撮ったわけでもない、資料価値のみで4000円程度だったものが、10万円以上に値を釣り上げている。 ●「10.21とはなにか」を出版する会刊『10.21とはなにか』
……古書価の比較で約4000円⇒約10万円。’68年10月21日に全国600か所86万人が参加した反戦運動の模様を収めた写真集。撮影者は不明
「10.21とはなにか」を出版する会刊『10.21とはなにか』

「10.21とはなにか」を出版する会刊『10.21とはなにか』

 左翼関連書籍を豊富に扱う古書店「赤いドリル」の那須太一氏は言う。 「海外のバイヤーが買い漁っていることが一つの原因。’68年のフランス五月革命に象徴されるように、新左翼運動は世界各地で起こっていたが、中でも日本の学生運動は世界に類を見ないほどラディカルな面があり注目度が高い。日本語で書かれた書籍より理解しやすく、それに加えて、最近ではアート的な価値を見いだした写真集専門のバイヤーまで参入しています」 ― 局地的[高騰商品] ―
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