更新日:2022年08月14日 11:37
エンタメ

ユウキロック「王者でも売れないのは、お客さんの漫才を見る目が育ってきたから」

エレキコミックの“収益モデル”をベタ褒め

芸人という生き方~ユウキロック『芸人迷子』発売記念 披露したネタからウケが良かったところだけを抜き取り、漫才としての精度をブラッシュアップして“ボヤキ漫才”というスタイルを確立したユウキロック。 「これからは、芸人としてどうやって生き残っていくのかを模索しなければならない時代です」と危惧しつつ、「エレキコミックはオリジナルな収益モデルを確立していて、お客さんにも恵まれていてほんまに羨ましい」とベタ褒め。対するやついも「僕らは大会をうまく利用しなかったタイプ。ユウキさんの言ってること、コンサルみたいです!」と切り返し、会場は笑いに包まれた。やついは音楽イベント「やついフェス」を主催するなど、多角的に活動している。  ユウキロックが「よしもとを辞める覚悟で書いた」という著書には、視聴者の立場からは想像もつかないエピソードの数々が精緻に描かれている。メルマガ連載の初回から『芸人迷子』愛読者というやついも、「ハリガネロックのネタの作り方は凄すぎて、自分たちにはできない。大会への気合いの入り方が違うから優勝できたんだと思った。この本も、ほとんど『仮面の告白』ですよね。『コンビニ人間』に負けずとも劣らない文芸、私小説。登場人物が全員本名だし、セリフや表現も直接的だし、訴えられないか心配です」と笑いを交えつつ絶賛していた。

「売れる芸人」「売れない芸人」の違い

芸人という生き方~ユウキロック『芸人迷子』発売記念 そして最後に、やついから「売れる芸人、売れない芸人の違いは?」と質問されたユウキロックは、「爆笑オンエアバトル」で楽屋が一緒だったラーメンズ・小林賢太郎を引き合いに「楽屋が一緒だったのはラーメンズだけで2組とも合格して、番組のエンディングでラーメンズとバンザイしようと思って横にいた小林くんの手を取ったら、表情を変えずバシッと払われてしまった。このとき小林君は、その時点でラーメンズのスタイルを確立してて守ってんねやと思った。手を挙げるなんてラーメンズのスタイルじゃない、と貫いていた」と告白。  そして「芸人として生きていくなかで、コンセプトがとても必要なんだなと思った。このことがずっと頭に残っていながらも、それが崩れていく自分たちを堰き止められなかった」と著書には書かれていないエピソードを明かし、二人のトークショーは幕を下ろした。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1254832 <取材・文/北村篤裕 撮影/林紘輝>
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芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト

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