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M-1グランプリ2019敗者復活戦は大混戦。お笑い第7世代の代表格も…

 12月22日(日)、ついに「M-1グランプリ2019」が決着のときを迎える。「決勝戦」は18時30分からスタートするが、優勝をめぐる戦いは同じ日の昼すぎから始まっている。そう、「敗者復活戦」が行われるのだ。  敗者復活戦を勝ち抜き、優勝まで上り詰めた第7回大会の「サンドウィッチマン」、第11回大会の「トレンディエンジェル」、惜しくも優勝こそ逃したものの、第8回大会での準優勝をきっかけに一躍人気芸人の仲間入りを果たした「オードリー」らを輩出するなど、敗者復活戦もまた「M-1」の歴史を語るうえで欠かせない要素である。  加えて、現在とは準決勝進出の組数が大きく違っていた2010年までの大会では敗者復活戦出場コンビは60組前後いたが、復活した2015年の第11回大会からは20組ほどになり、昨年からはさらに16組に絞られた。  ここまで狭き門になったのは、敗者復活戦が全国ネットで生中継されることになったからだろう。それだけに過去の大会と比べて、「敗者復活戦」自体のステイタスも上がった。敗者復活戦は「準決勝敗退者の最後のチケット」という意味合いだけではなく、知名度を上げ、スターへとのし上がるための格好の舞台でもある。  ここから露出を増やし、決勝の舞台へ進む者たちもいる。だからこそあえて言いたい。彼らは「選ばれし16組」なのだと。そんな精鋭たちを4つのカテゴリーに分けて紹介していきたい。

○敗者復活戦初出場組

くらげ(吉本興業) 《昨年1回戦敗退、敗者復活戦初出場》  ツッコミ担当杉昇、ボケ担当渡辺翔太からなる吉本興業所属のコンビ。2018年1月1日結成、昨年初出場の「M-1グランプリ2018」では1回戦敗退の「くらげ」がなんと敗者復活戦出場である。  コンビ歴は2年だが、決勝進出している「オズワルド」と同期で芸歴7年。それだけに技術力が素晴らしい。準決勝で見せたネタでは、杉君の一言にゆっくりと客席に顔を向ける渡辺君。この一瞬に俺は鳥肌が立った。「所作」「外的 要素」「声質」「間」。彼らは自分たちのすべてを理解している。それを熟知して完成させた完璧なネタだった。  それを熟知して完成させた完璧なネタだった。コンプライアンスが厳しいこの世の中で、F1層(20~34歳の女性)にはたまらないネタを披露するであろう「くらげ」。昨年、同期の「侍スライス」が一度は1回戦で敗退しながらも、再エントリーから敗者復活戦出場まで果たした奇跡(「M-1」では1回戦で敗退した芸人が再び1回戦にエントリーする「再エントリー」が認められている)。それを超えるのは「くらげ」かもしれない。わかんねえけど。 ラランド(アマチュア) 《昨年1回戦欠席、敗者復活戦初出場》  ツッコミ担当ニシダ、ボケ担当さーやからなる学生と会社員のアマチュア男女コンビである。芸能事務所に所属していない謎多きコンビだが、2人のアマチュアでの実績が半端ない。  昨年、敗者復活戦に出場した吉本興業所属の「令和ロマン」も優勝をしたことがある全国イチ面白い大学サークルを決める「NOROSHI」という大会で、2018年上智大学から出場した2人は優勝を果たす。まさに「学生横綱」といったところか。しかし、「M-1グランプリ」での実績は2回戦止まりで、昨年の大会はなんと「欠席」という結果であり、仕事の関係かはわからないが出場さえ叶わなかった。  結果的に2年ぶりの出場となった2人は燃えた。ボケ担当のさーやさんのプロ顔負けの弾けっぷりに、ツッコミ担当ニシダ君のセンスが光った。敗者復活戦の舞台でプロに負けずに暴れてほしいことを願うとともに、敗者復活戦の日だけは絶対に会社を休んでほしい。  日曜日だから大丈夫ですよね? 会社の方、よろしくお願いいたします。 ロングコートダディ(吉本興業) 《昨年準々決勝敗退、敗者復活戦初出場》  堂前透と兎からなる吉本興業所属のコンビ。漫才だけでなくコントでも評価は高く、ツッコミとボケの担当はネタによって変わる万能タイプである。そういった特徴でいえば、今年がラストイヤーとなる「かまいたち」の後継者として、これからのM-1グランプリを引っ張っていく存在になれるのではと期待する。  今大会では、3回戦で若干ネタをミスするも、そこをなんとかしのぎ切り、準決勝に進出。敗者復活戦でネタを披露する権利を得た。ほかにはない設定で勝負をする彼らの創造性と勇気には脱帽する。観客を二人の世界にどっぷりはめて抜け出せなくすることこそが、敗者復活戦突破の鍵となる。 四千頭身(ワタナベエンターテインメント) 《昨年準々決勝敗退、敗者復活戦初出場》  ツッコミ担当後藤拓実、ボケ担当都築拓紀、石橋遼大からなるワタナベエンターテインメント所属のトリオである。「お笑い第7世代」西の代表格が昨年度優勝コンビ「霜降り明星」ならば、東の代表格は「四千頭身」である。そんな彼らが初めて敗者復活戦に登場する。  トリオというのは非常に難しい。どんな面白いネタをしても、3人である必要性を感じられなければバッサリと切り落とされる。芸歴3年目の彼らだが、その部分を難なくクリアし、さらにトリオ漫才の可能性を示し続けている。それもすべてコントロールタワーである後藤君の手腕だろう。  俺は忘れない。裏方として、とあるネタバトル番組に参加したときのことを。その番組のオーディションで「四千頭身」がネタを披露した後に、俺は後藤君 にわざと「勝てる?」と聞いてみた。後藤君は「はい。勝てます」とサラリと答えた。その眼光は鋭く強い意志を感じた。「M-1」の舞台でも敗者復活戦で「はい。勝ちました」。決勝の舞台で「はい。優勝しました」。サラリと答える後藤君が見たい。
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敗者復活戦経験組は?
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今年もやります!! ラジオでM-1!!
12月22日(日)18時30分~22時30分
ABCラジオ/AM1008・FM93.3「ラジオでウラ実況!?M‐1グランプリ2019」
出演/ユウキロックほか
radikoからも聞けます!! 全国の皆さん!! 一緒にM-1を楽しみましょう!!
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