これ本当にユニクロ!? ユニクロに見えない傑作ベスト3
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第105回目をよろしくお願いします。
「ミラノリブにハズレなし!!」……今年のユニクロ、GUのニット類の良品は「ミラノリブ素材」にありました。「ミラノリブ」とは本来「編み方」のことで、厳密には素材の名前ではありません。また、ブランドによって使う素材は異なり、それによって色々な表情が出るので「ミラノリブならおしゃれ」といった短絡的な捉え方もできません。しかし、今年展開されているユニクロとGUのミラノリブアイテムは100%良品ばかりだったのです。
なぜ「ミラノリブ」なのか? その理由に「光沢感」があります。ウールはモコモコと柔らかい風合いで防寒性が高いかわりに「光沢感」が犠牲になります。毛羽立たせたり、編み地に太いものを使ってしまうと艶がなくなり、カジュアルな表情になり子供っぽい印象が出てしまいます。しかし、ユニクロやGUで使われるミラノリブ素材は通常のラムウールなどと比べて随分と光沢感があり、ドレスライクな印象なのです。
この「光沢感」はそのまま人を大人っぽく見せてくれます。スーツを思い浮かべてほしいのですが、スーツ用のウールはみな高密度・極細糸でつくられたもので艶があります。ネクタイも艶のあるシルクを使います。シャツもオックスフォードなどのガサついた素材でなく艶のあるブロードが基本です。靴やカバンは艶のあるレザーを使います。このようにドレスライクであるほどに「光沢感」を用いるものであり、また「光沢感」によってドレスの「大人っぽさ」が担保されるものなのです。
ニットも同様。光沢のあるものは「なんとなくそれっぽく」感じるものです。とくにユニクロのものはナイロン糸を混紡してあるためツヤ感は強め。「2990円」などの激安価格とは思えないような「大人っぽさ」を備えているのです。
今の時期クリスマスのプレゼントを選んでいる人も多いでしょう。しかしプレゼントにお金がかかってしまい自分の服装まで手が回らない人も少なくないはず。そこで「ミラノリブ」です。ほかのニット類ならいざ知らず、ミラノリブなら「絶対にユニクロだとわからないほどの高級感」が獲得できます。ぜひ試してみてください。
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
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