更新日:2022年08月21日 12:51
エンタメ

ユウキロック×チュート徳井の元芸人と芸人対談「大阪時代、お笑いの戦略家はこの人しかおらんかった」

オンバトの当時を振り返って

ユウキ:俺らハリガネロックは「オンバト(爆笑オンエアバトル)」で第4代グランドチャンピオンになった。ところで、徳井ってオンバト落ちているんでしょ? のちに「M-1」チャンピオンにまでなった「チリンチリン」の元ネタ(バーベキュー)で。普通は、すでに負けたネタで賞レースには挑めないと思うけど、それを貫いたのはなんでなん? 徳井:オンバトはお客さんが審査する形でしたけど、当時は独特な雰囲気でしたからね。 ユウキ:こっちはそこでチャンピオンなっとんねん(笑)。それで、どういうこと? 徳井:ちょうどその頃、オンバトのお客さんが「オンバトのお客さん」として固まりつつあったんですよ。みんな松口(ユウキロック)さんのハリガネロックやアンジャッシュ、アンタッチャブルとかを見てきた後で、さあ次の若い世代はどんなネタをすんねんと、斜に構えている部分もあって。 ユウキ:たしかになあ。とはいえ、それをM-1にもっていくってのは……徳井って天才? 徳井:いやいやいやいや。単純に僕は鈍感なだけなんですけど、やっぱり自分たちのネタが面白いと信じていたんで。 ユウキ:それでも俺ならオンバトで負けたネタでM-1は勝負できへん。そういうところが徳井は天才なんやろな。俺みたいな努力型は、完全にお客さんとか時代に合わせにいっとるから。だからいま、俺はこうなってしまったんやろな(笑)。 徳井:お笑いに対してストイックすぎますわ!
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ユウキロックは戦略的なお笑いの先駆けだった
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

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