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元国税実査官が教える「怪しい申告」の特徴。脱税がバレやすいのは…

 フリーランスだけじゃなく副業など給与以外の収入がある会社員も、領収書やレシートの経費を計算したりと提出の準備で大変な確定申告。しかし、節税もやり方を一歩間違えると大変なことになるという。

元国税実査官が教える「怪しい申告」の特徴

会社員の節税マニュアル

東京国税局から約1億円の申告漏れを指摘されたチュートリアル徳井。私的な支出を経費計上した2000万円分の所得隠しも認定

「国税局の調査能力は半端じゃないんです。ひとたび『怪しいな』と睨んだら徹底的に調査しますから」  こう話すのは国税局の元職員である佐藤弘幸氏だ。国税庁の発表によれば、平成30年には約2222万人が確定申告をしたうち、税務署による調査を受けたのは約7万3000件。すなわち0.3%未満だが、その大多数は追徴などのペナルティを受けている。つまり、ひとたび目をつけられたら、ほぼ逃れられないということだ。それは、副業だろうが何だろうが同じこと。税務署がチェックする際に注目する点は何なのか? 「税務署が何より嫌がるのは不正申告による還付金を出すこと。会社員が損益通算して還付を受けるケースは過去に不正が多発したのでウォッチしてます。さらに事業所得の申告で赤字が続くと、当然怪しまれます。  商売を続けているのにずっと赤字なのはおかしいので。経費も家賃や車、水道光熱費、通信費のうち半分なら『そんなものかな』となるかもしれませんが、100%はありえない。洋服も、スーツならわかるけどカジュアルだと否認されやすいです」
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佐藤弘幸氏

 そもそも個人の場合は計上する経費の幅が狭いと佐藤氏は続ける。 「法人は見込み客をつくるための接待なども交際費になりますが、個人だと、原則では飲み代が認められません。だから芸能人は個人会社をつくりたがるんですよ。さすがに先のチュートリアル徳井さんみたいに、プライベートな旅行や洋服を経費にするのはダメですけどね」  では、もし税務署に目をつけられた場合、どのような流れで税務調査は進むのか。 「申告内容によってまちまちですが、簡易なケースでは確定申告が終わった後、3~5月に電話やはがきなどの文書で呼び出しをします。そして、本格的にターゲットを狙っていくのは7月に税務署の人事異動が終わったあと。7月後半から11月くらいまでに納税地(居住地など)に行き、税務調査を行います。税金の時効は7年だから、そこまでは掘り返せるので」  また、いったん怪しいと思った人はSNSなどもチェックされる。 「ピンポイントで調査選定した人ならSNSはもちろん、ブログやYouTubeまですべて目を通します。もしそこで豪遊していたら『そんなの必要経費にならないでしょ?』となるので」  最後に佐藤氏は、確定申告シーズンになると“裏で動く存在”について注意喚起をする。 「ヤミ税理士です。会計事務所に勤めていた人とかで、税理士資格がなくても知識はあるから申告書作成や提出を請け負ってしまう人がいるんです。それは税理士法違反なので、くれぐれも軽はずみに頼まないようにしてください」 ▼こんな申告内容を税務署はチェックしている ●事業所得での申告内容が赤字になっている(数年続くとなお怪しい) ●スーツ以外の洋服代や装飾代も経費にしている ●SNSに派手な生活の様子を載せている ●家賃や車代を丸ごと経費にしている ●「見込み客」を募るための飲み代は基本的にNG ●アフィリエイト収入などは“カネの流れ”が追いやすい 【税理士・佐藤弘幸氏】 元国税局勤務。プリエミネンス税務戦略事務所代表。国税職員時代には大口から悪質なものまでさまざまな税務調査を担当。近著に『仮想通貨脱税』(扶桑社) 取材・文/進藤太郎(小野プロダクション) 吉岡 俊 岩辺智博 松嶋三郎 イラスト/サダ
仮想通貨脱税

作家・橘玲氏も推薦! マルサを超える国税最強部隊「資料調査課」出身の著者が描く緊迫の金融小説が誕生。

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