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“第二の東芝”になった時、あなたの会社は救われるか? 潰れてもスポンサーが集まる会社、集まらない会社の違い

「“2番バッター”のような存在は再建のめどをつけやすい」

 再生企業への投資は大きなリスクがともないます。投資した直後に倒産してしまえば投資したお金は一瞬で海のもくずと消えます。そうならないための事業の継続可能性を慎重に見きわめる必要があります。  この継続可能性は、企業としての「安定感」であり、野球でいえば派手な4番バッターでなく、1番のような華やかさはないが、自分を犠牲にしてもチームのために仕事ができ、安定的に結果を残せる「2番バッター」のような性格のもの。では、企業でいう2番バッターとは、どのようなものでしょうか。

法人むけの事業より消費者むけの事業を行っている

 破綻におちりやすい企業は、売上が数社に依存している企業が多い傾向にあります。その数社との取引が停止になれば売上の大部分が影響を受けるため、それに関係する固定費をまかない切ることができずに破綻するケースは少なくありません。  逆に、売上先が広く分散されていれば数社と取引がなくなっても、さほど影響はなく取り返すことができます。とくに消費者向けの事業は売上が安定しやすく、急激に業況が悪化しにくいので先が見えやすくスポンサーがつきやすいのです。  4番バッターのように、ホームランか三振かという販売傾向は、良いときは大儲けできますが、悪い時には一気に悪化してしまうもの。東芝の原発事業は、法人営業の極みのようなもので販売先は少なく、マクロ環境にも大きく依存します。実際に、世界中が原発建設に消極的なったことから販売先は一気になくなり、その代替先も見つからないというのが現状です。

斜陽産業でも競合が少ない事業を行っている

 斜陽産業の会社であれば、スポンサーがつきにくいと考えがちですが、意外とそんなことはありません。  斜陽産業は新規参入がすくない業界でもあることから、今現在、競合がすくない状態にあれば、細く長く利益を出しつづけることができ、スポンサーとしてはその安定感に見あった費用レベルに落とせば継続的に利益がうまれると判断されます。  また、斜陽で淘汰が進んでいる業界の場合は、業界の大手がさらなる業界再編を進めるためにスポンサードすることも多く、地味な存在であっても救世主はあらわれやすいのです。  東芝は、斜陽産業になりつつあるテレビ事業を売却する方針を打ち出しました。しかし、テレビ事業は日本国内でも細く長くは利益をあげられるでしょうし、新興国での技術移転も考えられることから、数社のスポンサー候補と交渉を始められそうです。

“面”を抑えている。温泉地で例えると…

 温泉旅館の再生は、全国津々浦々、枚挙にいとまがありません。なかでも、温泉街の中心地や目ぬき通りに位置している旅館は、場所をおさえているため、再生のためのスポンサーがつきやすいのです。  また、先日、民事再生を申請した科学雑誌を発行するニュートン。同社は科学雑誌としてコアな購読層を抱えていることから確実にスポンサーはつくでしょう。ライブドアは、ライブドアショックにより事業売却を余儀なくされましたが、超優秀な技術者がいたため韓国資本のNHN Japanが事実上のスポンサーとなり現在のLINEへと生まれ変わりました。  つまり、簡単に作り上げたり入手できない場所、顧客、人材、技術をもっていればスポンサーは集まりやすいのです。東芝は、事業ごとでみていけば、鉄道や空調、エレベーター事業など、それぞれ国内シェアも高く、顧客や人材、技術といった魅力的な面をおさえており、海外展開もしやすいことから、スポンサーが集まりやすいといえます。
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スポンサーがつきにくい会社とは?
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