更新日:2017年11月07日 20:03
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吟醸酒をお燗したら不味くなるは本当か? ビジネスマンのための一目おかれる酒知識

燗酒を楽しむことで広がる日本酒の世界

 私は燗酒が好きなので、夏でも燗酒を飲みますし、家でもよくお燗をします。でも家では、もっぱら電子レンジを使っています。こう言うと、「お燗はちゃんと湯煎しろ」という声が聞こえてきそうですが、電子レンジでお燗をしてはいけないなんて、誰が言ったんですか?  ただ、レンジ燗にはちょっとしたコツがいります。まず香りが飛ばないように、ラップをすること。それから徳利の上部だけ熱くなって、下が冷たいということが起こりやすいので、お酒がうまく対流するようにしなければいけません。  これは徳利の首がくびれていることが最大の原因なので、今ではくびれのないレンジ燗用の酒器も売られています。まあそんなものを買わなくても、私は空になったワンカップを使っています。あれはレンジ燗用には最強です。 「レンジではお燗の温度が調節できないのでは?」という心配もご無用。  今は細かい温度や、秒単位の時間まで設定できるレンジもありますし、そもそもお燗の温度をことさら気にする必要はありません。  私の場合、沸騰させたらダメですが、50~55度くらいまで熱くしておいて、だんだん冷めていく過程でいろいろな味わいの違いを楽しんでいます。じつはこれ、広島の杜氏さんに教わった飲み方なんです。

冷めていく過程で自分好みの温度を見つけるとより日本酒が楽しめるように

「日本酒は冷たくないと飲めない」という人なら別ですが、せっかくお燗という飲み方があるのですから、大吟醸でも純米吟醸でも、香り系でなければどんどんレンジでチンしてみましょう。きっと新しい日本酒の世界が広がりますよ。 【江口まゆみ】 神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学卒業。酒紀行家。1995年より「酔っぱライター」として世界中の知られざる地酒を飲み歩き、日本国内でも日本酒・焼酎・ビール・ワイン・ウイスキーの現場を100軒以上訪ねる。酒に関する著書多数。SSI認定利き酒師、JCBA認定ビアテイスター
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