アニマ・アニムスという言葉をご存知だろうか。 　夢分析などで皆さんお馴染みのスイスの精神科医・心理学者であるユングが提唱したもので、男性の中には深層心理に眠る女性的な側面「アニマ」が、女性の中には深層心理に眠る男性的な側面「アニムス」が存在するという考え方を言う。 　多くの場合、幼いころには男性も女性も男女の境目が曖昧で、いわゆる男らしさや女らしさに関係なくどちらの側面も持っていたことだろう。クマのぬいぐるみを愛でる少年もいれば、泥だらけになって遊ぶ少女もいる。 　だが、年齢や身体の成長とともにそういったものを不要とさせられ、社会によって男性と女性へと育っていくのだが、だからといって自分の中に眠る異性はいなくなってはいない。 　そんな自分の中の異性が、恋愛対象や好きな異性として、投影されるというのがアニマ・アニムスだ。つまり、この質問は彼らが忘れているアニマ・アニムスを呼び覚ます質問といえる。 　よく「人は鏡」などと言ったりするが、まさに自分の好きな相手、理想の相手は自分がなりたかった自分なのかもしれない。女性も男性も、気になる異性を見つけたら気軽に尋ねてみてはいかがだろうか。 「ねえ、どんな異性になってみたい？」 【大島薫】 作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』（マイウェイ出版）。大島薫オフィシャルブログ（http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/）。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru　写真集『大島薫に例のアレを着せてみた』が発売中1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru