ミスマガジン2004、SKE48/SDN48の元メンバーという経歴を持ち、今は現役グラビアアイドルとして活動しながら、グラドルたちが働くカフェの経営者でもある手束真知子。そんな“二足のわらじ”をはく彼女だから語れる「フリーランスアイドル論」とは……?
グラドル経営者に、思わぬご依頼が舞い込んできた!
私がこのコラム連載を始めて早くも1年半が経ちました。最近ではいろんな方に「コラム読んだよ~」「赤裸々だよね!」などのありがたいお言葉をいただくことも少しずつ増えてきました。そんななか、ある日突然、思わぬご依頼が舞い込んできたのです。
それは「引きこもり経験者とグラビアアイドルには共通点があると思うのでコラボしませんか?」といった内容でした。
引きこもりというと根暗で家から出なくてコミュニケーションが苦手。というイメージがあったので正直ビックリしたのですが、一体どういう意味でどんなコラボなのか? 依頼主と直接お会いして話を聞いてみることにしました。
今回、この不思議なコラボ依頼をしてくださったのはフロンティアリンク株式会社の佐藤啓社長。
著者と佐藤社長
真知子:この度は私のコラムを読んで、お問い合わせをいただきましてありがとうございます!とっても嬉しかったです!
佐藤社長:こちらこそ、ご縁をいただきありがとうございます! コラムでお見かけしたお写真と同じ方が目の前にいて、不思議な感じがします。
真知子:まず初めにお聞きしたいのですが、佐藤さんの会社はどんな会社なのでしょうか?
佐藤社長:当社は主に、社会人の方向けのIT系・ビジネス系の教育研修を行っています。「一日速習講座」といって、ExcelとかAccessといったOffice系ソフトのビジネスでの活用方法や、マクロ・VBAとよばれるExcelなどの自動化の方法、ホームページ作成などのプログラミングなどの講座を全国16か所のセミナールームをはじめ、自宅や職場などでも受講できる形で提供している会社です。
真知子: む……難しそうですね……でも今回のご提案は「引きこもり経験者」の方とのコラボ企画ということでしたよね? 佐藤さんの会社とは離れているイメージですが、どんな取り組みをされているのですか?
佐藤社長:実はもともと私のいとこに2人、ひきこもりの当事者がいるということもあって2017年の7月から「ひきこもりサポート特別コース」という、ひきこもり当事者の方を対象に在宅で学習可能な「仕事保証付き」ホームページ作成講座を始めたんです。IT業界って本当に人材不足なので、よい人材の確保がなかなか難しくてですね。
真知子:そうだったんですね。でもなんで「ひきこもり」と「ITエンジニア」が結びついたのですか?
佐藤社長:IT系の仕事、特にプログラミングであれば在宅でもできる場合も多いですし、ひきこもり当事者の方が無理して外に出ることなく自分が安全に感じられる場所で、自分のペースで勉強をし、さらに在宅での仕事があればスキルさえ身につければ仕事自体を始めることもできるんじゃないかと思ったわけです。
真知子:なるほど。確かにそうですね!自分のできる範囲でやっていくという発想が素敵です。
佐藤社長:実際に始めてみたところ予想以上の反響で、想像していた以上に「できる人」も多くてですね。さらに実は2017年の12月に日本で初めてとなる「ひきこもり当事者主体の株式会社」も作っちゃいました。社名は「株式会社ウチらめっちゃ細かいんで(めちゃコマ)」というちょっとふざけた名前なのですが(笑)、実はひきこもり当事者の方って細かいところにすごくよく気がつく方も多いんですね。プログラミングなどにはとても向いている特性なので、それがわかりやすいようにこの名前にしました。
真知子:面白いですね! そこからさらに「アイドルとコラボ」に結びついたのはなぜですか?
佐藤社長:ひきこもり当事者の方って、男女問わずコミュニケーションに苦手意識を持つ方も多いんです。一方でアイドルの人たちはファンの方といろいろやり取りをし喜んでもらうためにはどうしたらよいかを考えたりすることで、いつもコミュニケーション力を磨いていると思うんです。そういうところに何か、ひきこもり当事者の方にとっても役立つコミュニケーションの≪ヒント≫があるんじゃないかなと。この両者を繋げることができたらどうなるんだろう? と発想したのが、今回のコラボ企画の発端です。