ライフ

予算縮減で、1300年前の貴重な「正倉院文書」が危機的状況に

早期完了を目指して、クラウドファンディングで支援金を募集

複製事業

複製事業には、最新の技術に加えて、熟練の職人の微妙な手作業が必要となる

 今年1月15日、この貴重な正倉院文書の複製を一刻も早く完成しようと、クラウドファンディングが立ち上がった。  全部の複製を完成するには数億円以上かかるともいわれているが、複製の早期完了を目指して、まずは「続々修第12帙第8巻」1巻分の複製(長期の保存・利用、耐久性に優れた原色コロタイプ印刷により実行)についての支援金を募集する。目標額は350万円、募集期間は3月30日23時まで。製作完了予定は2019年3月末日ごろ。プロジェクト参加者の名前は、複製製作記念巻物に記載され、永久に保存される。 「クラウドファンディングは、オールオアナッシング。目標額に届かなければ返金しなくてはならないんです。ぜひ多くの人に正倉院文書に関心を持っていただき、複製完成のためのご理解・ご支援をいただけましたら幸いです」(松澤裕子・歴博広報・普及係長)  歴博では、いずれこの複製を常設展で一般に公開、常時閲覧可能とする予定だ。広く調査研究のために利用してほしいという。 「国民全体で文書を守るという点から、クラウドファンディングはいいやり方だと思います。ぜひ、当時の人たちの息づかいを感じられるこの文書を、多くの人に見ていただきたいと思います」(仁藤教授)
正倉院

正倉院には、奈良時代の美術工芸品のほか、東大寺造営の役所が管理した文書や文房具が収められていた

取材・文/北村土龍(本誌) 写真/鈴木 麦 便利堂 時事通信社 ※『週刊SPA!』2/5発売号「1万点の[正倉院文書]を救え!」より
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●「正倉院文書」複製に関するクラウドファンディング
https://readyfor.jp/projects/rekihaku1

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表紙の人/ 二階堂ふみ

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