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新規免許取得者の半数がAT限定の日本で今「MT車ブーム」が起きている理由を考える

 警察庁公表のデータによれば、’16年に全国の自動車教習所で普通四輪免許の教習コースを卒業したのは115万8327名で、そのうちAT限定は68万9187名。しかし、MT車を運転できる免許を持ちながら、実際にMT車を買って運転する人は少ないでしょう。そんななか今、日本で密かにMT車ブームが起きていた! MT車MJブロンディ改め永福ランプ=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

国産、輸入車問わず、なぜ今この日本でMT車ブームが起きているのか?

 電車やバスしか乗らないボンクラ諸君には完璧に無意味な情報だが、このところ日本では、ちょっとしたマニュアル車(略してMT車)ブームが起きているのだった!  たとえば、MTしか設定のないホンダのシビックタイプRが、なんと納車1年待ち! タイプR以外のシビックも、初期受注の35%がMT車だった。スズキのスイフトスポーツも、人気のMTだと納車数か月待ちといった状況である。
シビックタイプR

シビックタイプR

スイフトスポーツ

スイフトスポーツ

 現在日本では、AT車の販売比率が98.4%(’16年)に達している。MT車自体があまりにもレアなため、品薄感からブームが起きている面は否定できないが、MT車は中古になっても人気が底堅く、相場も若干高い。すべては「レアだから」という単純な理由によるが、MTモデルの存在は、ブランドイメージの構築に役立つという面もある。  輸入車も国産車同様、販売のほとんどがAT車だが、BMWは売れないとわかっていても常にMTモデルを残していて、現在は4モデルにMTがある。「憧れのクルマは?」というアンケートを取ると、たいていBMWが1位になるのは、このあたりにも理由があるのではないか!?  対するベンツは、5年前SLKに「21年ぶりにMT車を設定!」と、ごくごく一部で話題になったが、現在はそれも消滅し、新車で買えるMT車は再びゼロになった。ベンツのオッサンイメージは、そんなところも影響しているに違いない!
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メーカーごとのMT車販売比率
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