恋愛・結婚

セクハラ&パワハラ、さらにハニトラ30年史[コラムニスト木村和久]

 不条理といえば、20年ぐらい前、自宅マンションでこんなことが起きました。翌日ゴルフをするので、オヤジ2人がマッサージを呼ぶことになりました。マジメなやつを所望し、探すと郵便箱に鍼灸院と書かれたチラシが入っていました。でも変なの多いからね。電話をして「まともなマッサージを頼む、しかも男性でお願いします」とリクエスト。あっちは「かしこまりました」って言うから、安心して電話を切ります。そしたらやって来たのが、タカノさんというおばちゃんでした。なんで20年前のマッサージ師の源氏名を覚えているのか、これが不思議なんだけど、それだけインパクトがあったのです。  タカノさんに「男性を呼んだけど」というや「今、出払ってて」と言うではないか。これはまんまとやられました。最初からおばちゃんが、来るつもりだったのです。諦めて横たわるや「それではマッサージを始めます」と言って、私の体に馬乗りになり、自らスカートをたくし上げて、真っ赤なパンティをモロ見せてくれました。それを傍らで見ていた担当編集者は大爆笑って、助けろよ~。  タカノさんは「ちょっとさ、パウダーとかローションとか、そういうのやらないの?」と誘ってくる。そう来たか。 「いや腰痛くてさ、普通のでいいから」と言うや、次第に逆切れして「あんたね、こんな普通のマッサージやっても、幾らにもならないんだよ。スペシャル頼んでよ~」とほとんど恫喝状態。こっちは参ったな~と思って「じゃスペシャルマッサージ代払うからさ、普通のマッサージをやって」と頼むと、「そうかい、なんか悪いね。いいんだよ、無理しなくて、スペシャルにしなよ~」っていうけど、丁寧にお断りしました。  この場合、男性がセクハラの被害者でよろしいでしょうか?それにしても、あれほど下手なマッサージに出会ったことないです。かえって、腰が痛くなりました。  ようやく現代。知り合いのカイロプラクティックの先生と世間話をしていたら、たまに怪しいお客さんが来るとのこと。女性客で、ゆるゆるの服を着て肌の露出が多く、そこはかとなく、ミステリアスな部分を触って欲しいみたいな目線を投げかけてくるそうです。ピンと来た先生は、鉄壁のガードで施術します。受付の女性を立ち合わせ、女性が監視しながら施術すれば、相手もこれ以上、隙を見せられない。たぶん2人っきりで誘われるままに、施術をすると、後で怖い人が怒鳴りこんで来るのが見えています。  いやあ~今の世の中、男性がセクハラの加害者というわかりやすい図式では、表現しきれませんね。皆さん、怪しいとか、腑に落ちないと思ったら、近づかないことですよ。
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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50歳からのかろやか人生

体は枯れても頭の中は未だ現役気分、コラムニスト木村和久が贈る そんなバブル世代(50~60歳)へ向けた老後生活の道しるべ

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