妻がパチンコ依存症で借金450万円…それでも離婚しなかった理由
給料は上がらない。それでも物価は上がっていく。ギリギリの生活を送りながら、家計の破産も「明日は我が身」と感じる人も少なくないはず。「自己破産件数」は13年連続で減少してきたが、ここにきて微増しているという。
借金に手を染めるきっかけは、生活苦、給料の減少、教育資金、奨学金の返済、浪費・遊興費、投資の失敗など多様。その先には、自己破産、もしくは破産したくてもできず真綿で首を絞められるようなジワクジワと続く生き地獄、逆に自己破産ですべてを失ったがリセットして新しい人生を歩みだす人……さまざまな人間模様がある。
妻の隠れ借金でマイホームを手放す事態にまでなったのは、電機メーカー勤務の高田康則さん(仮名・48歳)。
「私が単身赴任をしている間、400万円あった貯金がゼロになっていた。問い詰めたら、妻がパチンコ依存症になり全額使い込み、さらに450万円の借金もつくっていたことが判明。しかも寮生活を送る高校生の息子の寮費・学費を約100万円も滞納していた。自己破産や任意整理は避けましたが、住宅ローンが払えないのでマイホームを処分しました」
今は単身赴任から戻ってきて、夫婦で安アパートに住んでいる。
「依存症はまだ治っておらず、離婚もやむなしと覚悟していました。ところが妻から『離婚してください』と土下座で謝罪され、逆に妻をなんとかしなければという気持ちが強くなりましたね。マイホームを失うなど苦しいことの連続ですが、夫婦の絆は強くなりました」
また、親思いの息子には感謝しているという。
「私は『大学進学の学費は用意する』と言ったが、息子は『国公立大に進学して奨学金とバイトで大丈夫だよ』と言ってくれた。親として本当に申し訳なく思うと同時に、思いやりのある子に育ってくれて本当にうれしく思います」
返済のメドはまったく立たないが、借金をきっかけに家族の大切さに気づかされたようだ。
― 生き地獄ルポ 破産したらこうなった ―
妻が貯金を使いきり、借金450万円も発覚
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