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北朝鮮が大量に偽造した「’92年製100ドル紙幣」の闇

アメリカ国内で使えば逮捕されるリスクも

 アメリカ政府が真正な’92年製100ドル紙幣を一部無効にした時に困惑したのが、大量に保有していた香港のHSBCだった。  あれから16年が過ぎた今でも、’92年製の真正100ドル紙幣はディスカウント価格で取引されている。無効とはいえ真正な100ドル紙幣である。現物を大量に使用することは不可能だが、証券の原資には使えるからだ。  もちろん、多額でなければ現金として使用もできる。ただし、米国内で使えば逮捕される覚悟が必要になる。

偽札こそが北朝鮮を支えている

 さて、偽ヴィトンのボストンバッグに大量の偽札を詰め込んだ男2人だが、彼らはラオス国籍を持つ北朝鮮民族である。  2人はラオス北部にあるヴァンビエンという街からやってきた。焼き肉店を経営する一家の兄弟だが、正体は北朝鮮の諜報員である。  ラオスには北朝鮮民族が多く、各地で飲食業や貿易業を営んでいる。それらは、諜報員のアジアにおける活動を支援する中継基地となっているのが実情だ。  なぜ彼らは大量の偽札・スーパーノートを、ラオスからタイへ持ち出そうとするのか。答えはラオスの地政学的要素と為替管理制度にある。北朝鮮で製造されたスーパーノートは、陸路で中国からラオスに運ばれてくる。ラオス北部の中国国境は警備もされておらず、出入りは簡単だ。  そして、ラオスには外貨の持ち込み、持ち出しとも制限がない。出入国の管理が甘い上に外貨の規制がないのだから、堂々と大量の偽札を持ち出せるのである。  タイへ持ち込まれた偽札はその後、どうなるのだろう? 実はその行方にこそ、北朝鮮が米ドルを偽造する理由と、ミサイル発射をちらつかせる野蛮な外交が結びつく。偽札こそが、長らく北朝鮮を支える原動力であったのだ。 文/猫組長 兵庫県神戸市生まれ。元山口組系二次団体幹部。若くしてヤクザの世界に身を投じ、仕手戦やインサイダー取引を経験。グレーゾーンのファイナンスやマネーロンダリングを得意とする国際的な経済ヤクザとして暗躍、数百億円を稼ぎ出す。ヤクザ引退後は作家転身を果たし、「週刊SPA!」のコラムを筆頭に健筆をふるう。最新刊『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言
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猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

週刊SPA!誌上で始まった「ネコノミクス宣言」を大幅に加筆・修正、連載開始から2年の時を経て単行本として出版されることとなった渾身の意欲作。相方を務める漫画家・西原理恵子氏による描きおろし漫画も収録、300ページ近いボリュームでお届けする。





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