更新日:2018年06月23日 16:32
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翻る旭日旗ジャケ! 響く軍歌メタル!「愛国心」ならRADWIMPSに負けないジャパメタ・アーティストたち

特攻を歌ったジャパメタ・アーティストの想い

 アジア人女性として初めて世界最大級のメタル・フェス=ヴァッケン・オープン・エアのステージに立った(2005年)経歴を持つ、SAEKOという女性メタル・シンガーがいる。彼女の2ndアルバム『LIFE』収録の「Sa-Ku-Ra」は、太平洋戦争(当時の名称は大東亜戦争)時に、特攻で散華された英霊への想いを寄せた楽曲である。「Sa-Ku-Ra」は、日本人として世界に向けて伝えるメッセージは何かと考え、生まれた楽曲の一つとのことだ。

「Sa-Ku-Ra」が収録されているSAEKOの2ndアルバム『LIFE』(2006年)

 多くの日本人同様、「軍隊は悪」という教育を受けてきた彼女は、一時、スイスに滞在していたことがあった。スイスは国民皆兵の国だが、ある時、現地の人たちと話していて、話題が軍の話になった。 「ところで、日本軍はどれくらいの大きさなの? 制度は徴兵制?」  などと尋ねられたSAEKOは、 「Off Course(もちろん)、日本に軍はいません」  と答えた。するとそこにいた人々は皆、 「えっ!?」  と目を丸くし、絶句。 「じゃあ、誰が国を守るの?」  と問い返された。 「……」  今度はSAEKOの方が絶句してしまった。  このような経験を経たことで、彼女は自身のそれまでの価値観が揺らぎ、自分は何も知らなかったと思ったという。その後、欧米至上主義だった日本のロック界の空気を破りたい、そのために海外で活躍しなければいけないと考え、活動してきたアーティストである。
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ジャパメタのジャケットに翻る旭日旗
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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