雑学

ブラック部活の裏に…子供を強豪校に入れて「30万円もらった」仲介コーチの証言

 日大アメフト部の不祥事がきっかけとなり、注目されることになった「ブラック部活」の実態。そこには軍隊顔負けの暴力性や不条理さがあり、多くの若者たちが苦しんできたことが、各メディアの取材によって明らかになってきた。

 だが、そもそもなぜ「ブラック部活」が成り立つのか!? その裏には、無我夢中で頑張る子どもたち、それを応援したい親……そして、その夢をビジネスとして扱う大人たちの存在もある。

少年

※写真は、イメージです

ブラック部活が成り立つ裏には…


「私は、関西の地元で学校備品を納入する仕事をしていました。その傍ら……野球やサッカーなどに力を入れている私立校と、地方の有望な中学生選手の間を取り持つ。これが私のもうひとつのビジネスやった。収入は、ほとんど出来高制のようなもので不安定やったけどな」

 こう話すのは、関西某市に住む、一見いたって普通の中年男性・山本さん(仮名・40代)。かつてプロ野球の球団から栄養費などという名目でアマチュア選手に裏金が流れていた事実や、強豪高校のスポーツ特待生の問題が取り沙汰されたこともあったが……。

 山本さんは地元の中高を卒業後、隣県の専門学校に進学した。職を転々としつつ、趣味で地元の中学シニアチームのコーチをやっていた。実は山本さん、少年野球と中学時代のソフトボール以外の野球経験はほとんどないが、きっかけはとある野球強豪校からの問い合わせであった。

「うちのチームに偶然ええ投手がおりましてな。練習中に土産もって私のとこにあいさつに来よったんですわ。ええ、あの関西の強豪校のスカウトさんです。そのスカウトさんも私のように、どこに所属するわけでもないフリーのスカウトで、酒おごってもろうたり、旅行に連れて行ってもろうたりして……。結局そのピッチャーを入学させることになり、最後には30万くらいやったかな? 協力金とかいう名目でカネもろうたんです。別に違法なことやおまへんし、仕事になるなぁと」

 山本さんは以降、自チームの選手を育成しつつ、こうしたフリーのスカウトとの関係強化に励み、多くの選手を強豪校に送り込んできた。そうすると、選手の親たちは山本さんに気に入られようと、ありとあらゆる“申し出”や“贈り物”を送ってくるようになったともいう。

「みんな『センセイ、よろしくお願いします!』なんて言うてきよるでしょ。もう神様になったような気分でね。生徒を怒鳴ったり厳しく当たっても、親たちはなんも言いません。我慢すれば強豪校に行けるし、というわけです。学校側も黙認ですよ」

 山本さんの元には、強豪校からの接待やお礼だけでなく、生徒の親からの「謝礼」まで届くようになり、本職よりも収入が増えた。

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本当は「間違っとるんやないか」と気づいていても…

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