パチスロ6号機&設定付きパチンコは業界の救世主になれるのか?
POKKA吉田:今の技術上の規格では、「遊技釘等の材質は、真鋳またはそれと同等の硬度をもっている金属であること」と定められていますけど、釘を叩けない構造にすること自体は、現状の規格のままでも可能なんです。例えば釘の両端を硬質プラスチック棒にしておけば、叩けなくなるよね。もし叩いたら、釘は大丈夫だけど、両端が折れたりするから。ただそれをやると、ダブルスタンダードがバレる。規則改正して経過措置を付けたとすると、経過措置型式は釘があって叩けて、改正規則機は硬質プラスチックだから叩けないってことになればおかしいでしょう。叩ける台が、なんで今まで合法だったのか?って議論に絶対なるんで。
──パチンコ店の営業上は、釘を叩ける台の方がメリットが多いんですか?
POKKA吉田:釘をいじれる方が、他店と差別化できるんですよ。金がない店の中には、釘の良し悪しで勝負しているところもあります。たとえば命釘の間隔が11.75mmの場合と12.00mmの場合とでは、スタート回数がまるで違ってきて、それで出玉率が大きく変わる。大手ホールについても、今回の規則改正案が去年出た段階で各パチンコメーカーが「釘を叩けない台のほうがいいの?」って意見を聞いてます。そしたら、本当に叩けなくなったら叩けない台の方がいいけど、叩ける間は今のままがいいっていう返事が圧倒的多数。「叩ける機械も叩けない機械もメーカーの設計次第でできますよ、どっちがええ?」って聞かれたら、叩ける機械がええって言うに決まってますよ。だから、警察庁は釘を叩けないような規則にするべきやったのに、そうしなかったということは、釘問題について警察庁はもうええって思てるのかもしれない。
木曽崇:’15年には大手メディアがそろってパチンコ台の不正改造を報じています。このとき警察庁はパチンコの釘を大社会問題に仕立て上げて世論を味方につけて、不退転の決意でこの問題を解決するんだろうなって僕は思ってたんです。なのに途中で腰砕けになっちゃうんですから、僕としてはすっかり肩すかしですよ。シンプルな解決策が目の前にあるのに、それを採用しないっていうのは、「えっ!?」としか思えない。お前らが釘を叩けるように台を作らせてるのに、これから先も「叩いたやつが悪い」って言い続けるのかっていう話ですよね。
POKKA吉田:それがまた言い続けるんですよ(苦笑)。’17年4月から設置する新台について、メーカーは「釘確認シート」という制度を始めていて、パチンコ店への納品状態は、保通協(※保安通信協会=国家公安委員会の指定試験機関)の型式試験に適合した状態、すなわち検定を受けたときの状態と一緒だってことにしているんです。つまりパチンコ店の現場で釘の状態が変わっていたら、メーカーとしては、「それ俺ら知らんわ」って話。叩いてるのはパチンコ屋しかいない、叩いたヤツが悪いという理屈。こんな状況を続けるよりも釘をなくすべきだし、それでこの問題はおしまいだよ。設定だけになるってことはスロットと一緒ですから、玉かメダルかというだけの話になる。
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