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パチンコ店廃業ラッシュに追い打ちをかける新札発行と封入式遊技機の導入

1台40万円以上もするパチンコの新台

CR機が完全撤去となったことで台の入れ替えが困難になったホールは、台設置箇所をベニヤ板で塞いでいる

 パチンコCR機、パチスロ5号機といった旧規則機が、一部の検定・認定の取り扱いが異なる地域を除いてほぼ完全に撤去された2022年1月31日。以降も事業を継続するためにはパチンコのP機、パチスロの6号機など新規則機へと入れ替える必要がありましたが、新台は1台あたり40万円以上。  また、30年ほど前のパチンコCR機ブーム、また20年くらい前のパチスロ4号機ブームの頃には3000万人に迫る勢いだったファン人口も、今ではその4分の1程度。  資金力のない中小ホールは無理して事業を継続するより、ここで手を引く方が賢明な判断だったんでしょう。また逆に大手は市場を独占できるチャンスでもあり、廃業したホールを買い取って規模を拡大させている法人もあるようです。

新台を導入したばかりの店がなぜ廃業するのか?

 新台の代わりにベニア入れ替えで入れ替え経費を抑えたとしても、1月31日を見据えて積極的に新規則機を導入したホールは、今後もホールという事業を継続する……そう考えていた業界関係者は多いと思いますし、筆者も当然ながらそうだと思っていました。  継続するつもりがなければ何十万円もする、そして客が打ってくれるのかどうか、つまりは稼いでくれるのかどうか分からない遊技機を購入する必要はありませんから。  でも実際には2月になってからも、ちゃんと旧規則機を新規則機に入れ替えていたホールが続々と休廃業を告知しています。これはどういうことかいろいろな業界関係者に聞いてみたところ、理由として考えられるのは賃貸物件の更新タイミングではないかという推測が。そういえばここ最近、個人的活動として休廃業告知を撮影していましたが、ほとんどが駅前の一等地のテナントビルだったりします。  本当なら1月31日で閉めると決まっていても、それを客側に勘ぐられないように新規則機を導入し、更新のタイミングできっぱりやめるとすれば納得。導入したばかりの新規則機は系列店に回せばいいし、系列店がなくても中古機として売却してしまえばそれほど損はしない。  もちろん休廃業前提ですから抜くだけ抜いていただろうし、もしかしたら売却分がプラスになる可能性だってあるかもしれませんから。
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自社物件ホールも大苦戦している理由
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