検定の現場は意図的に規則を違えている!?
──ちょうどスロットが出てきたところで、10月から導入されることになった6号機の話に移りましょうか。
POKKA吉田:俺は6号機、だいぶ期待してます。AT・ART機については、出玉性能が抑制されて、その代わり純増枚数が増える。ノーマルタイプは出玉の枚数が減り、ゲーム性は自由になり、射幸性は激しく抑制される。それでも
業界は、6号機を作りたいって盛り上がっています。射幸性を抑制されているのに業界がこんな反応を見せているのは、これまでの歴史の中ではなかったことです。だから
俺としても応援する以外ないよね。
木曽崇:メーカーサイドが作りたがっているというのは意外で面白いですね。保通協の型式試験の適合は順調なんですか?
POKKA吉田:適合の数は少ないですね。警察庁は保通協にものすごく細かい指示を出しているようで、8月は適合5件で不適合37件、9月は適合10件で不適合32件です。本来パチンコなら5台の遊技機を10時間、パチスロなら5台の遊技機をそれぞれ1万7500ゲーム回すという試験をするんですが、どうやらそれより
はるかに長時間動かして、おかしい機械は叩き落とすという運用をしているようです。保通協の発表を見ると、
パチスロよりもパチンコのほうが適合が多いんですが(8月は適合28件/不適合41件、9月は適合23件/不適合23件)、この違いはなんでかと言うと、
パチンコのほうが規制が緩いからだとか(笑)。お前なんやそれ、
規則に書かれてる通りの試験をやれや! って俺はずっと言ってるんだけどね。
木曽崇:そうだよね。それもし本当にそういうやり方してたら、規則を違えてるって話だもんね。
POKKA吉田:ほぼ間違いなく規則を違えてる。6号機には俺も期待してるから、警察庁のあんまりなやり方は、ええかげんにせぇと思ってます。なんでパチンコのほうが規制が緩くてパチスロは厳しいんだって話。
パチンコの長時間出玉率は133.3%でパチスロは115.5%なので、出玉アピールできるのは、むしろパチンコのほうでしょ。パチスロ6号機への扱いがこのまま変わらないようなら、業界側も黙ってない。今は政治家に対するアプローチが各方面からすっごく増えてますから、もし官僚が自分らの権限を超えたところで行政を運用していたとしたら、それは糾弾にあってもしゃあないやろな。
【POKKA吉田】
ぱちんこジャーナリスト。パチンコ業界紙『シークエンス』の発行人・編集長。近著に『
パチンコが本当になくなる日』(扶桑社)などがある。メーカーが主催するセミナーで講師も務めている。 Twitter
@POKKAYOSHIDA
【木曽崇】
国際カジノ研究所所長。日本では数少ないカジノ産業の専門研究者。近著は『
「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」』(’17年、光文社新書) Twitter
@takashikiso
<構成/勝SPA!取材班>
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