ハニトラ未遂にあったIT会社役員 思わせぶりな派遣女子にはご用心
だが、その後のA子の態度に岩内さんは目を見張ることになる。
「せっかく派遣の契約を延長してあげたのに勤務態度がひどくなっていったんです。遅刻が増えたり、先日の西日本豪雨のときは『実家が停電になったから実家に帰ります』と当日欠勤されました。他の派遣社員からは『A子にだけ甘いんじゃないですか?』と言われるようになるし、でもA子からは相変わらず個人的なLINEや写メが送られてくる。さすがにA子だけを特別扱いするのもいかがなものかと思い、徐々にA子を避けるようになったんです」
A子のことを避け始めてから1か月ほど経った頃、池内さんはある連絡を受けて震え上がった。
「連絡はA子が登録している派遣会社からでした。話の内容はA子が取締役の人からセクハラに逢っているというものでした。確かに食事には連れて行きましたが、セクハラをした覚えはありません。結局、その真意を聞く前にA子は退社。しかし、驚いたのは後日です。退社した後に分かったことなのですが、A子の話していた内容はすべて嘘だったのです。旦那は持病持ちどころか離婚協議中で、A子はすでに新しい彼氏と同居中。さらに、実家は西日本ではなく関東地方、豪雨で実家が停電なんて真っ赤な嘘だったんです。部下がA子のFacebookを見つけ出すと、欠勤した日は『彼氏と旅行中』と書かれていました。部下からは『池内さんが急に冷たくしたからセクハラと騒ぎ出したのでは?』と言われましたが、冗談じゃないですよ。結局、証拠不十分として派遣会社からは忠告だけで済みましたが、他の女子派遣社員の誤解は解けないままですね……」
大事に至らなかったものの、社内の評判は下がってしまったと池内さんは肩を落とす。甘い言葉には裏があるもの。気付いたら時すでに遅しとなる前に、若い女性に対して自己防衛を働かすのが中年オヤジにとっては賢明なのかもしれない。
【結城(ゆうき)】
恋愛ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter:@yuki55writer
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