仕事

SM女王様に学ぶ人心掌握術。サラリーマンが「仕事で主導権を握る極意」とは?

人にどう思われるかを気にしすぎるな

 上司の言葉にはすべて「イエス」で答え、下の人間とは深くは関わらず、なるべく「無害な先輩」でいようとする。相手にどう見られるか、良く思われるにはどうすればいいか。そんなことばかりを考えている人を見たことはないだろうか。果たしてそのような人間が、人の上に立つことができるだろうか? 「私も女王様を始める前は、いい子ぶって仕事をしていた時期もありました。だけどそんなその場しのぎの人間関係では、結局自分が辛くなるだけ。愛想を振りまかないと好かれないのでは? という感情は、正に自信のなさの裏返しです。逆に、ありのままに生きていれば、そんなあなたを好きと言ってくれる人が自然と周りに集まってきます。調教時は私の前でひれ伏している奴隷たちですが、逆にそれができるからこそ、彼らは仕事が人一倍できるのだと思います」 秋葉女王 SMにおける奴隷たちは、“自分は自分“という考えを根本に持っているという。たしかに誰にも嫌われたくないなどという小さなプライドがあれば、自分の変わった性癖をさらけ出して、女王様に向かってお尻を突き出すなんて格好はできないはずだ。そして実際に、秋葉氏の奴隷たちの多くは、経営者や企業の役員を務める男性が多いという。

奴隷から学ぶこと

 先にも述べたように、相手から与えられているばかりでは主導権を握っていることにはならない。相手にも何かを与えられる存在になることが重要だ。そんなことを秋葉氏は日々奴隷たちから学ぶことも多いのだという。 「マゾたちの会うたびに広がるその無限の性癖、本当に尊敬します。彼らの欲求の上でこそ、私は女王様として君臨できる。会いにきてくれてありがとうといつも思います」  主導権を握るということは自分の思うままに相手を動かすということではない。相手が自分のために何かをしてくれるような状況を生み出すということだ。奪ったり奪われたりではなく、与えたり与えられたりという関係を意識していこう。<取材・文/國友公司、写真提供/秋葉女王> 【PROFILE】秋葉女王様/1992年生まれ。音大卒業後、ピアノ講師として働く傍、副業でライターを始める。そんな中プライベートでは、失恋がきっかけでSM調教に興味を持ち、SM女王様に。過去にご主人様に調教をしてもらった経験あり。現在は、日中はライターや講師業、夜は新宿・六本木を中心に女王様として活動し、マゾたちを調教する日々を送っている。
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion
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