マイナーチェンジしたホンダNSXは顔しか違いがわからないが、それでいいのだ!
そんな新型NSXで、紅葉真っ盛りの箱根の山を走っていたら、多くの人が振り返って、うれしそうな顔をしてくれた。駆け寄ってきてくれた人もいた。
「うわーNSXだ。珍しいですねえ」
新型NSXの販売台数は、発売以来の2年間で1900台。うち約400台が国内で売れた。フェラーリは年間約800台、ランボルギーニは500台(ともに国内全モデル合計)。単一モデルが2年で400台という数は、スーパーカーとしては決して少なくはない。
そのわりに、新型NSXは滅多に見ない。フェラーリやランボルギーニのニューモデルは、見せびらかしたい肉食系のお金持ちたちが、納車と同時に都心部を乗りまわすが、NSXのオーナーは草食の理系が多いのか、車庫の奥に大事にしまってあるらしい。おかげで2年前と変わらず、みんなとても喜んでくれたのだ。
というわけで、いろいろな事情はあるにせよ、私は思った。「日本に国産スーパーカーがあってよかったなあ」と。正確には国産じゃなく、アメリカの工場で作った逆輸入車だけど、とにかくNSXは、日本ブランドのスーパーカーなのだ。
国産車がある国すら少ないのに、ましてやスーパーカーを作れる国はとても少ない。イタリア、ドイツ、イギリス、そして日本くらいだ。
世間がゴーンショックに揺れるなか、カーマニアとして、自分の国に乗用車メーカーが8社もあり、スーパーカーまで作っていることを、実にシアワセだと改めて実感した一日でした。涙が出ます。
【結論】
この、いかにもマジメな人たちが作ったスーパーカーを見て、担当Kは「スーパーカーはマジメな人が作っちゃいけませんね」とつぶやいたが、それでも日本人として、NSXが存在することに感謝です。1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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