仕事

コールセンターは“女のブラック職場”!? 元従業員の告白

リーダーのパワハラとノルマが厳しい

 転職した湯川さんの次なる職場もコールセンターだった。時給1500円という高時給に、50分電話をかけたら10分休めるという環境に魅力を感じ入社したという。通信業界のアウトバウンドで慣れないことは多々あったが、湯川さんは一生懸命就業していた。ところが、ここもブラックな職場だったのだ。 「50代前半の女性リーダーが、契約の取れないパートに罵詈雑言を浴びせていて。もちろん、入社したばかりの私もその被害者。ある台風の日、交通機関の問題で早く帰らざるを得ない時、『あんた、もう帰るの? 電車がないなら歩いてでも帰ればいいんじゃない? 成績悪いんだからこのままだといられなくなるよ』と脅されました」 転職失敗 後日そのリーダーの発案で成績表が張り出されることになった。契約を取れないパートを責め続ける環境が整われてしまったというわけだ。時には隣に立って、大声で罵声を浴びせられることも。「求人にはノルマなしって書いてあったのに……」と湯川さんは嘆く。 「会社の雰囲気が悪くなっているのに男性社員たちは知らんぷり。一番社歴の長いリーダーに何か言おうもんなら、たとえ社員でも容赦なく攻撃されるのを怖がっていたみたいです」  その後、もっとも契約の取れていなかった湯川さんともう1人のパート女性が、新規事業という名の部署の仕事に就かされる。それは新商品の営業業務だったのだが、法外なノルマを要求されたそうだ。 「会社が私を辞めさせようとしていることがわかりました。本当に酷いと思いました。後から少し仲の良かった別のパートさんに聞いたところ、例のリーダーが、『成績の悪い人がいると業務の効率が悪くなるから違う仕事させたら?』としつこく社員に詰め寄っていたようです。リーダーとはいえたかだかパートの言いなりになる男性社員は情けないですよ」  それから1年後に職場を辞めた湯川さん。結局、看護師に戻った。ブラックな職場が続いたからこそ、今の仕事に誇りを持てるようになったと彼女は話すが、やはり時給の高いコールセンターに未練はあるそうだ。 「どこかに時給と労働環境が良い職場があるんじゃないかと思い、ちょくちょく求人はチェックしています」  仮に、再度コールセンターの職に就こうとするならば、“石橋を叩いて渡る”という気持ちを心がけてほしいと感じた。〈取材・文/夏目かをる〉
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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