もちろん思春期に憧れた職業に、誰もが就けるわけではありません。しかしスポーツ選手になれなくても、スポーツトレーナーになることはできます。大切なのは自分の過去を活かそうとする態度です。 　私は自己啓発とは別に小説家にも憧れていました。随分と勉強や習作を重ねましたが、こちらの方はからきしでした。しかし、その時の経験がこうして文章を書くのに役立っています。自分の行いが何の肥やしになるか、その時はわかりません。ただ何かを新しく始めた時に、過去を活かせる瞬間がやってきます。それが洞察です。 　物には形があります。だから形のある物差しで測ります。一方、心には形がありません。だから形のない時間で測ります。心の物差しになるのは自分の記憶です。 　あなたにとって一番大切なものは何でしょう。あなたはそれに長い時間をかけたてきたはずです。そこにある信念が一番の拠り所になります。思春期まで遡ることができれば、一生続けられる職業になります。かけた時間はあなたを裏切りません。 コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』（扶桑社）が発売中