上野の客引きを、警察がガチ浄化中。チェーンソーで店に強行突入も
「そうですね。そこから僕らも客引き同士でいろんな情報の共有をするようになった。『何人の逮捕状が出ているらしい』みたいな話も耳に入って、そういう話を聞いてしまったら、名前が挙がった本人はマジかよとなりますよね。実際にそれで客引きを辞めた人もいる。
辞めて地元の居酒屋で飲んでいたら、そこに警察が来て逮捕みたいなパターンもあったし、家まで来られた客引きもいました。全国的にどの繁華街にも私服警官はいますし、客引きに逮捕のリスクがあるのは当たり前なんですよ。ただ、逮捕状を出してまで根こそぎというのは上野ならではかもしれない」
浮間Pさん曰く、それでも上野の客引きは、客に優しいそうだ。客引き同士の揉め事はあっても、例えば客引きに「ボッタクリ」の店を紹介されることはないという。そういう客引きを町から排除するとどうなるのか。
「お客さんが減ってるのは間違いないですよ。実際に昔の上野は楽しかったという人はいっぱいいますね。客引きもそうだし、最近ではただおっぱいパブを営業しているだけで、卑猥行為で摘発みたいなこともあった。
ちょうど2年前に上野で新しくおっパプを始めたグループがあって、評判がいい店だったので自分たちも客を入れていたんですよね。この店が1時以降に営業していたことで摘発が入るのですが、1時を回ってまだ10~15分というくらいで機動隊が盾を持って25人くらい。さらに刑事まで来て『開けなさい』と。それで店側が開けなかったら、最終的には電気ノコギリで強行突破しました。店を潰すことで、そこに出入りしている客引きの動きを封じようとしているんですよね」
営業中のセクキャバのドアを機動隊がチェンソーでぶち破るのだから、警察の本気度が伺えるというものだろう。徹底した“浄化作戦”が起こるのは、上野がそれだけエネルギーの磁場である証左に他ならない。先日も警察の一団が小走りで仲町通りを駆け、そのうちの1人が携帯を耳に当て「いまキャバクラに入っていきました」と告げている光景を目にした。
忘年会での繁忙期を過ぎた上野だが、警察や監視員も見回りや摘発により尽力するだろう。それでもこの町に立つ客引き浮間Pとともに、夜の上野が変わりゆく様を今後も見届けたい。
<取材・文/山田文大>


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