モチベーションは過去と未来から生まれる。未来ばかりを見てはいけない
どんな人間がプロ野球選手として活躍するのかを想像してみてください。小学生の頃からリトルリーグに参加して、中学高校は強豪校の野球部に所属して、というのが妥当だと思います。一度も野球の経験がないのに、いきなりプロ野球選手になろうとしても無理があります。
未来ばかり見ていると、自分がそうした無理を通そうとしていることに気づけなくなります。「誰でもできる、今すぐできる」という宣伝を鵜呑みにしてしまうのです。しかし実際は自分にできることは限られており、結果を出すにも時間がかかります。何より大切なのは「結果を出すのに時間がかかる」だけでなく、「行動できるようになるにも時間がかかる」ということです。
自分の過去を抜きにして、未来と現在だけで行動を語ることはできません。私たちの行動は過去に制限されています。未来だけに囚われ、過去の制限に気づけなくなったら、本来できることすらできなくなってしまいます。モチベーションについて悩んだら、すでにその状態です。
では反対に未来ではなく、過去だけを見ているとどうなるか。今度はただ昨日と同じことを繰り返すだけになります。人生全体が歯磨きや洗顔と変わらなくなると、これはこれで問題です。自分も環境も常に変化しています。その変化に対応できなければ、幸福や満足は遠ざかります。機械的な繰り返しは意味のある行動とは言えません。また現在や未来を否定して、「昔は良かった」と過去に執着するのも建設的ではないでしょう。
だからこそ過去と未来の両方を意識することが必要になります。現在が過去と未来の中間にあるように、行動は「過去の動機」と「未来の動機」の中間に生まれます。「自分がしたいこと」だけでなく、「自分がしてきたこと」についても考えてみてください。その両方を見出した時、私たちは行動できるようになります。
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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