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45歳で選手復帰、イチローの名言10選「感情を抑えること。出したら自分が壊れるだけ」

「僕はイチローであることを変えられないので、イチローのプレーをするだけです」

 メジャーに上陸した2001年、魔法のようにヒットを打ち続け、全米に衝撃を与えていたイチローが、最多得票でオールスターゲームに選出されたときの発言だ。  オールスターに出ることは想像すらしておらず、「シアトルでやるということなので、見たいと思い、早くからチケットを買っていた」とも語ったイチロー。自分を貫いたことで周囲を認めさせたということだろう。

「感情を抑えることです。煮えくり返ることもありましたが、それを出したら自分が壊れるしかないですから」

 2004年の年間262安打というメジャー記録を筆頭に、当たり前のように毎年200本安打達成を続けていたイチロー。この言葉は2006年、メジャー史上3人目となる6年連続200本安打を達成した試合後に生まれた。  周囲から200本安打は当然の記録だと思われるようになり、プレッシャーは増大していったというイチロー。徐々に高まっていく重圧に対して、弱さを見せることなく、感情を抑えて仕事に向かったことが、高みに到達できた要因のようだ。

「今日から162試合やれと言われても、僕にはできる」

 ヤンキースとの契約最終年である2014年、メジャーに移籍してから初めて、規定打席不足となった苦しいシーズンのプレーを終え、一年を振り返って語った言葉。  圧倒的な実績を持っているにもかかわらず、このシーズンは控えに回ることも多かったイチローだったが、これも一つの経験だとプラス思考で捉えていたという。厳しい環境に置かれても、腐らずきっちりと準備をして、調整を続けていたというプロフェッショナルな姿を見習いたいところである。

「合理的に考えすぎてムダの生じないような進み方をしようとすると、結局近づくことすらできない。当然、深みも出ない」

 この名言は2016年、オリックスのシニア・チェアマンを務めている宮内義彦との対談のなかで、イチローが話したもの。超一流のビジネスマンを相手に、臆せず自身の哲学を語った言葉と言えるだろう。  宮内氏の「ムダな時間が嫌い」という発言に対して、「いかにムダな時間を過ごすかということを大事にしている」と返したイチロー。最初から理想の姿には到達できないので、一旦ムダな時間を経験し、そこからそぎ落とすことによって、あるべき姿に近づいていこうという考え方のようだ。
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常に人に笑われてきた悔しい歴史が、僕の中にはある。
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