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45歳で選手復帰、イチローの名言10選「感情を抑えること。出したら自分が壊れるだけ」

「常に人に笑われてきた悔しい歴史が、僕の中にはある。これからもそれをクリアしていきたいという思いはあります」

 これは2016年シーズン途中、日米通算4257安打に到達し、メジャーでは非公式記録ながら、それまでの通算最多安打記録を抜いたときに、自身のキャリアを振り返ってされた発言。  プロ野球選手を目指して毎日練習していた小学生時代や、独特なバッティングフォームで活躍が疑われていたオリックス入団当初、メジャー挑戦時に「首位打者になってみたい」と言ったときも、周囲に笑われたというイチロー。まわりが非常識や不可能だと笑うようなチャレンジを続け、結果を残してきたからこその言葉だろう。 ベースボール

「自分の中でちょっとだけがんばった。それを重ねてきたことで、今になれたと実感している」

 こちらは2016年のオフシーズン、自身が大会長を務める「第21回イチロー杯争奪学童軟式野球」の閉会式で、子どもたちに語りかけた言葉だ。 「イチローは人の2倍も3倍もがんばっている」と言う人も多いと語ったイチローは、この言葉を「そんなことは全くありません」と否定。自分のなかで限界を迎えたときに、もう少しだけがんばることが大切であると力説し、“ちょっとだけのがんばり”を積み重ねたから今があるのだと、小さなプレーヤーたちに伝えていた。

「でも、2位じゃダメなんですよ、BY蓮舫ですね。忘れ去られちゃう」

 “代打での打率2割5分はレギュラーの打率3割に相当する”といった評価もされる代打の役割で、2割7分というハイアベレージを残した2017年シーズン。しかし、代打のシーズン最多安打記録28本にはあと一本届かず、シーズンを終えたときにこの言葉が生まれた。  政治家・蓮舫の有名なフレーズを借り、ユーモアを交えながら悔しい思いを吐き出したイチロー。彼が常にトップに立ってきたのは、こういった信念を胸に抱いてきたからに違いない。

「自分ができると思ったことは、必ずできるとは限らない。でも、自分ができないと思ってしまったら、それは絶対にできない」

 こちらも軟式野球大会の閉会式で生まれた名言。2018年の暮れ、激動のシーズンを回顧しながら、子どもたちに「自分のなかで自分の可能性を決めないで欲しい」といったことを話したのだ。  周囲からの雑音を気にせず、復帰を目指してトレーニングを続けて、マイナー契約を勝ち取ったイチロー。今、その説得力は倍増している。  ――イチローの名言を紹介してきた。どれも深みのある言葉で、胸に残ったのではないだろうか。不世出のレジェンドである彼が、選手として復帰して活躍する姿が見られることを、今から楽しみにしたい。<文/後藤拓也(A4studio)>
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