ワインの種類でグラスを変えると、恐ろしく味が変わる理由
― 30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン第37回 ―
レストランで白ワインと赤ワインを頼むと、グラスの形や大きさが異なることに気がつくことでしょう。披露宴などにお呼ばれしたときのテーブルにも、複数のワイングラスが並んでいます。何を飲んでいるのかわかりやすくするためではありません。そのお酒を一番おいしく飲んでもらうためです。
グラスを複数用意するのは、飲食店によって多大な負担になります。中身はまったく同じなのに、「グラスによってそんなに大きく味が変わるのか?」と思う方もいるかもしれません。それはもう、恐ろしく大幅に、明確に変わります。
基本的に、グラスはガラスが薄いほどお酒をおいしく感じます。口に付けた時の異物感が少なく、お酒の味に集中できるためです。バーベキューなどでいいワインを開けることもありますが、紙コップやプラカップだと愕然とするほど味がわからなくなります。これは器が理由です。
この違いは、実際に試してみることをオススメします。白ワインをプラカップ、普通のコップ、赤ワイングラス、そして白ワイングラスの順に注いで飲んでみてください。香りはもちろん、味さえも大きく変わり、びっくりすること請け合いです。プラカップはどうしようもないとしても、普通のコップもいただけません。赤ワイングラスと白ワイングラスの違いは小さいかもしれませんが、白ワイングラスのほうが最適だと感じることでしょう。
さらに、赤ワインや白ワインのなかでもブドウごとに専用のグラスを販売しているメーカーもあります。以前は、筆者もそれはやりすぎだと思っていました。実際に並べて飲んでみるまでは。
違いは、圧倒的でした。筆者はシャルドネというブドウを使った白ワインが好きなのですが、普通の白ワイングラスで十分楽しめており、高価なシャルドネグラスは避けていました。しかし、試したところ明らかに芳醇に感じます。香りも味も、ランクアップしているように感じました。
あまりの違いに、メーカーの方に質問したことがあります。グラスの形状は香りの閉じ込め方のほかに、口に入る流量と速度を規定するというのです。確かに、幅広だと口全体に広がりますし、細長いグラスだと舌の中心に沿って入ってきます。その上で、一番おいしく感じる形状を選んだのです。ちなみに、おいしく感じる理由として、舌の部位によって感じやすい味覚が異なるとも耳にしたのですが、賛否両論あるのでここでは触れません。
赤ワイングラスより、白ワイングラスが小さいのは、冷やして飲むことの多い白ワインは飲んでいる間にぬるくならないように量を抑えているのも理由です。
グラス以外でワインを飲むと味が違う!?
グラスの形状でワインの美味しさが変わる理由
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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