更新日:2019年02月23日 12:44
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ワインの種類でグラスを変えると、恐ろしく味が変わる理由

シャンパンとグラスにこだわった欧州の貴族

 シャンパン(スパークリングワイン)のグラスもいくつかあります。よく見かけるのは、細長いフルートグラスです。グラスの底に小さい傷がついており、きれいな泡がまっすぐ立ち上がります。

シャンパンを飲む際に、もっとも一般的なフルートグラスです

 立食パーティなどでは、ソーサー型のクープグラスを見かけることがあるかもしれません。中世から使われているグラスで、いろいろと話のネタがあります。ソーサー型のグラスなので、炭酸は短時間で抜けてしまいます。しかし、げっぷを防止するためにこのグラスをあえて使ったという説があります。さすが、欧州の貴族です。ほかには、中世のお菓子は甘くなかったので、シャンパンに浸して食べられるようにこの形のグラスになったという説もあります。フルートグラスと比べて傾けなくても飲めるため、首のしわを気にする妙齢の女性に好まれたという話も。さらには、あくまで噂ですが、このクープグラス、マリー・アントワネットの胸を模って作られたとも言われています。どちらにせよ、現在はBARでも自宅でも使われることはほとんどないでしょう。

パーティもしくはシャンパンタワーの時に見かけるクープグラス

 最近のトレンドは、白ワイングラスのように真ん中が膨れているシャンパングラスです。クープが第1世代、フルートが第2世代とすると、第3世代のシャンパングラスと言えます。確かに、香りがしっかりと感じられます。フルートグラスと比べると大きく傾けるので、飲みやすいのも好みでした。もし、シャンパンを頼んで真ん中が膨れたグラスで出てきても、「白ワイングラスで出してきて、変なの」と思わず、「最新トレンドのグラスを用意しているんだ、すごいな」と思ってください。

第3世代のシャンパングラスは真ん中が少し膨らんでいます。写真はリーデル「<パフォーマンス> シャンパーニュ」です

 高級なグラスで飲むお酒はまた格別です。自分が好きなお酒に適したグラスなら、ちょっと奮発してみるのもオススメです。なお、高級グラスで自宅飲みした場合は、飲み会直後にグラスを洗わないようにしましょう。酔った状態で洗って割ってしまったことが何度もあるためです。翌朝起きてから洗うほうが安心です。
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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