「彼女は両親に同性愛者であることを隠していましたが、今回の件でバラされても仕方ないと覚悟していました。ただ、義両親は厳しい人で下手したら勘当もありうると思ったので、“互いの仕事が多忙によるすれ違い”が原因と嘘をつきました。彼女には『こんな目に遭わせてしまったのに……』何度もお礼を言われましたが、最後に夫らしいカッコいいところを見せることができたかなと思っています」 　でも、いくら相手が同性とはいえ、浮気された側としてはずいぶん寛容な態度のように思えるが……。 「以前、海外に住んでいたこともあってLGBTの友人が当たり前のようにいる環境だったんです。日本にもLGBTの友達はいますし、良く言えば理解がありすぎたのかもしれません。そいつに事の経緯と顛末を話したら『カッコよすぎる。お前になら抱かれてもいい！』って。さすがにそれは遠慮しましたけど（笑）」 　だが、離婚した後、すぐに次の恋とはいかなかったそうで、新しい恋をするまで5年かかったとか。 「トラウマではないですが、意図的に恋愛や結婚から距離を置いていました。そんな中、現在結婚前提でお付き合いしている女性と出会い、この人ならと思ったんです。もういい歳ですし、今度こそは幸せな家庭を築きたいですね」 　山あり谷ありで掴みかけた2度目のチャンス。今度こそは上手くいくことを祈りたい。＜TEXT／トシタカマサ＞ ― シリーズ・寝取られた男たち ―ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。