更新日:2021年09月27日 10:21
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どこからエロ本なのか? コンビニ「成人誌」販売中止で曖昧な境界線に切り込む

エロ本かどうかは個人のこだわりで決まる

 そもそも「どこからエロ本なのか?」は人によってバラバラ。コンビニの基準自体も、「日本フランチャイズチェーン協会のガイドラインはあるものの、最終的にエロ本とするかは店長やオーナー次第」(園田氏)というようにある意味、個人の裁量に任されている。  ましてや一般人が「何をエロ本と思うか?」は、「職場の休憩室で偶然グラビアページを開いたら女友達に『エロ本を読んでいる』と周りに言いふらされた」(38歳・♂・総合商社)というように、水着の写真だけでもエロ本扱いする人がいる。これでは『週刊SPA!』や『ヤングジャンプ』もエロ本だ。  そこで「どんな写真や記事だとエロ本と認定されるのか」を調査してみると、“エロの基準”には表紙、記事、ボリュームが大きく関わっているとわかった。  まずは、雑誌の顔の“表紙”から。「性を彷彿とさせる言葉がある」は男女合わせて171人がエロ本認定と容赦なし。特に、「カタカナを読めるようになった5歳の息子が大声で『ママ、セックスって何?』と聞いてきたんです」(32歳・♀・受付)と、子育て中の既婚女性は、子供の目に触れる表紙にはシビアだ。  また、「胸の形がくっきり浮かぶタートルネックのセーターなど、少しでも“性”を強調する写真は女性がモノ扱いされているようで不快」(29歳・♀・金融)という声も。  だが、「ベージュの水着は裸を連想させるからエロ本っぽい」(26歳・♂・飲食)とのマニアックな声もあったが、「表紙の女性が水着」をエロ本と思う人は36人しかおらず、基本セーフだということも判明した。安田氏は言う。 「水着の写真でもアートでないと女性はエロ本認定しがちです」  続いて人々は、どの程度記事の内容でエロ本判定しているのか?  「興味があってもSEX特集を電車では読めない。週刊誌でも、羞恥心が生じればエロ本です」(36歳・♀・SE) 「政治経済の記事や著名人の連載があっても風俗情報やパンチラ写真があればエロ本」(37歳・♀・経理)  と、やはり子持ちの既婚女性の目線は厳しい。  ではエロの“ボリューム”、ページ数の割合はどうか。「全ページ、勃起させてくれる内容じゃないとエロ本ではない」(47歳・♂・証券)と、男性からは寛容な意見が多数。  一方、「小学6年の息子が、旦那の捨てた雑誌のエロぺージを切り抜いてスクラップしていた。1ページでもエロはダメ」(38歳・♀・銀行)と、既婚の子持ち女性は「1割程度」でも58%がエロ本と判定。「2~3割程度」だと80%がアウト。 「どんな情報でも受け手によっては“性的ないやらしさ”を覚え、エロ本と解釈する人はいます。個人の価値観に頼っている以上、エロ基準の曖昧さからは抜けられません」(園田氏)  消費者の価値観を優先しては多くの雑誌がエロ本と見なされてしまう。基準は曖昧なまま蓋をされ、エロ本は葬り去られてしまうのか。
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