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北朝鮮の金政権を倒そうとする、謎の団体「自由朝鮮」の正体

「自由朝鮮」とは何者なのか?

「自由朝鮮」はもともと、政権中枢に近い人物らで構成されている……という見方もある。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長の髙英起氏が話す。 金正恩「脱北した北朝鮮の元高官やロイヤル・ファミリーに近いメンバーが関わっていると思われ、暗殺される前の金正男氏も前身の団体を支援していました。そもそも、これまで金委員長に粛清された人々は、ロイヤル・ファミリーでは正男氏の母方の血筋ばかり。正男氏は金委員長の異母兄に当たり、異母の血統を根絶やしにしようとしているのは明らかです。  北朝鮮では建国の父・金日成(キム・イルソン)氏から続く白頭山の血統こそが、権力の正統性を保証する絶対的なものであり、代々の指導者の拠りどころとなってきた。血統があるから世襲も正当化されてきた経緯があり、権力者側からすれば、未来永劫守らなければならないものなのです。漢率氏は、金委員長にとっては異母兄の子だが、一般的な王位継承順位で当てはめて言えば、先代指導者の故・金正日総書記の嫡男・正男氏の嫡男なので上位になる。  当然、邪魔な存在であり、漢率氏を支援する『自由朝鮮』を是が非でも滅ぼしたいと考えているはず……」

金正男殺害事件の情報を暴露する可能性も

 実は、「自由朝鮮」が唱えている「臨時政府」の構想は、金正男氏存命中からあった。だが、「当時は韓国政府からの支援が見込めず、組織から離れる者も多かったので実を結ばなかった」(李氏)という。今回の大使館襲撃事件で、「自由朝鮮」はパソコンやハードディスクを奪ったとされるが、今後、彼らはどのような行動に出るのか? 李氏が話す。 「実行犯がパソコンやハードディスクを狙ったのは、“抗日パルチザン式”と呼ばれる北朝鮮独自の暗号プログラムを入手するためで、これが持ち去られたとすれば、暗号を一新するまで北朝鮮は在外公館と通信できなくなる。  加えて、北朝鮮の大使館は現在、外貨を稼ぐための出先機関となっているが、外交官特権を悪用した非合法活動も行っており、今回、『自由朝鮮』が得た情報に金正男氏暗殺に関するデータが含まれていれば、当然、暴露することになるはず……。  実行犯10人のうち2人はCIAと関係していることが判明しており、今回の事件は米国が関与しているとみていい。主犯格とされたチャン氏は米国内でNGO『LiNK(北朝鮮に自由を)』を’06年に設立しているが、こうした人権団体には富裕層の金主がいる場合も多く、資金源になっている可能性がある。今回の犯行を見る限り、スパイ映画さながらの鮮やかな手口からも、情報機関の工作員並みの特別な訓練を受けていたことは明らかです」
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キム・ハンソル氏は米国内にいる!
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