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平成生まれは固定電話が取れない? コンビニ店長が驚愕した新入社員事件簿

「大好きなコンビニに1日8時間もいれて、さらにお金までもらえる!」  そう考え、某業界からコンビニ直営店の店長に転職した筆者。前職では新入社員の入社時研修の担当をしていた。  そんな経験ゆえに、自分の店舗に新入社員の受け入れが決まった際には、「以前、新入社員の研修経験があるし余裕でしょ」と考えていた。しかし、ジェネレーションギャップとも言うべきか……年々驚くべき世代が入社してくるものである(筆者は昭和生まれ)。  今回はとある年、私が店長を務める直営店のコンビニに入社してきた新入社員の驚くべきエピソードをご紹介したい。
コンビニ

※写真はイメージです(以下同)

「固定電話ってどうやって出ればいいんですか!?」

 5月も半ばを過ぎ、新入社員が人事部の研修を終え、続々と現場に配属される季節となった。私が勤務していたコンビニの直営店でもその年4名の新入社員を受け入れることになり、店長の私と他の社員による本格的なOJTがスタートした。店舗運営のマニュアルや挨拶などは人事部の研修でしっかりと仕込まれているため、現場では細かい業務を叩き込んでいくのだが、私は早速、「店舗運営以前」の驚くべき事態に遭遇する。  ある日新入社員の高田くん(仮名)と私が事務所にいると、店の固定電話が鳴った。電話対応も業務の一環である。ちょうどいいかも、と私は高田くんに軽い気持ちで、「電話、出てくれる?」とお願いした。すると高田くんは途端に挙動不審になり、怯えた目で私を見た。 「すみません! あの……! 『ガイセンチャクシン』って表示出てますけどこれ、どうやって出ればいいんですか?」  ええええ! 今の子って固定電話出れないのーーー!?  ジェネレーションギャップである。「普通に、受話器を持ち上げたら出れるよ」と伝えてみると、彼は安心したように「わかりました!」と元気いっぱいに答え、「お電話ありがとうございます、××店でございます!」と電話に出てくれた。  その後の対応は問題なかった。研修で習ったからだろう。さすがに人事の研修で固定電話の取り方からは教えていないらしい。固定電話の取り方から教える必要があるとは……恐るべし平成生まれ。

素直すぎる新入社員たち、まるでカルガモの大行進!?

新入社員 そんな平成生まれの彼らはとても素直である。発注の指導をしている最中、「暑くなってくる今の時期はレタスなどの野菜系サンドイッチがよく売れるけど、卵サンドやカツサンドは売れない」ということを伝えていた。  店長でありながら、店舗内ではおにぎり・弁当・サンドイッチ売り場の責任者もしていた私は、他社員が発注をする際の伝達事項として事務所に「夏は『草』のサンドイッチは絶対に切らさない! 卵と肉のサンドイッチは減らせ!」と張り紙をしていた。  私と半年以上働いている社員たちは、私がレタスやホウレンソウなどの葉っぱ系の野菜を『草』と呼ぶことを知っており、「またまたー、店長。『草』ってなんですか、その言い方~」と半笑いで受け流してくれていたのだが、新入社員たちは真っ白な汚れのない存在であった。全てを素直に吸収してくれた。私の変な口癖さえも——。  ある日、新入社員とサンドイッチの発注について話していると彼らが口をそろえて言った。 「店長、『草』の奴らは切らしてはいけないんですよね!」 「店長、『草』のサンドイッチは夏によく売れるんですよね!」  真っ直ぐな目で、満面の笑みである。そして『草』は共通言語へ! あれか、生まれたてのカルガモが最初に見たものを親だと思ってついて行く的な……。  こうして当店では「レタス=草」が浸透した……。新入社員と接する際には自らの言葉遣いをも正すことが大切であるという教訓であった。
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ミスしたのは誰だ? 「店長です!」
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