夏の気配が近づいてきた5月某日、日本屈指のおしゃれエリア渋谷に集まった総重量約2トンのBIG MANたち。これは、デブのデブによるデブのためのファッションウェブマガジン「
Mr.Babe」が開催した日本初の「TOKYOデブ・サミット」というデブのための超会議。

コンセプトは、令和元年、増え続ける肥満体型の男性たちが日本、いや世界に向けて「もっとデブに優しい環境を!」ということで、デブが今困っている問題を取り上げ、世界に発信するという壮大なプロジェクトがスタートしました。
今回のメインテーマは「日本のデブがお洒落になれるファッションアイテムがほしい」ということで、なんとSPA!でも大活躍中の
カリスマファッションバイヤーMB氏が、このプロジェクトにゲストアンバサダーとして参戦してくれたのです!

ファッションバイヤーMB氏
MB氏の参戦には編集長の私はもちろん、集まっていただいた日本のデブを代表する参加者たちも「デブの救世主現る!」と喜びを隠せず、今まで溜まっていたファッションアイテムに対するストレスがまるでダム決壊の如く溢れ出し、18℃に設定していたエアコンが彼らの熱でまったく効かない状態になってしまったのです(本当の話です)。
MB氏からの第一声は「これだけの大きな方々が密集した現場に同席することは初めてかもしれませんね。でも、ここにいるだけで皆さんのパワーと熱量を感じます。正直、暑いです(笑)」。
まずはジャブ程度にデブの存在感を肌で感じていただいたのですが、本題に入るとさすがはカリスマファッションバイヤーMB氏、デブ目線から見た「困っていること」への解決策をプロ目線で答えてくれたのです。
デブ用の服をつくるのは実は難しくない

まず、数多あるデブ側のファッションに対してのストレスをざっくりとまとめると……
●キレイめなドレス系のセットアップやジャケットを着たいけど腕、胸、太もも、ふくらはぎなどが合わず、ジャストサイズに着れるものがなかなか見つからない
●清潔感が大切というけれど、いわゆるカッターシャツはデブが着にくい
●立ったときと座ったときに腹囲が変わるのがデブ。その差に対応していない服が多すぎる
●身幅に合わせると丈が長すぎる。欧米のビッグサイズをそのまま日本に入れているだけのお粗末なアパレルが大すぎる
●ドレス系に寄りにくいので、かわいい系のカジュアルに寄るしかなくなる。大人がキメられる服がほしい
●「股ズレ、首ズレ、腹モレ」の3大悩みがなかなか解決されない

そんな不満に対してMB氏は次のようにアドバイス。
「皆さんの思っていることに対して解決することはテクニック上、そんなに難しくないと思います。例えば、ドレス系のセットアップなどはスエット素材のものでつくられているものをチョイスすればストレッチ性が高いので、カラダにフィットしやすくなります。
カッターシャツなどは立ったとき、座ったときにお腹がきつくならないように、脇の部分をストレッチ性の高い素材を入れるとか、体型上シャツの首がきつくなったりするという方には、首の部分がスライドできるようなつくりにすることもできます。
股ズレの破損に関しても、股部分の内側もしくは股の部分だけをコーデュラのような耐久性の高い素材を使うとか、逆に滑りを良くするナイロン系の素材を使うのもいいかもしれませんね。
ただ、アパレルの現状としては在庫を抱えてしまうことが一番のリスクなので、つくることはできたとしても、もし売れなくて在庫を抱えてしまったら……という考えから標準的なサイズをつくり、間違いなく売り切るということを考えざるを得ないのが実情なんです。
ただ、もしもデブマーケットのニーズに応えるアイテムをつくったとしたらアパレル業界は間違いなくかなりの利益が出るでしょうね」