更新日:2023年04月13日 01:29
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地方ヤンキーと都市型ヤンキー、違いはある? 交流の動きも

 社会に出ても街から出ようとしない地元密着型ワルの地方ヤンキー。一方、ひと昔前までは渋谷などにチーマーがいて、その後はカラーギャングが都市型の不良スタイルとして登場した都市型ヤンキー。地方ヤンキーと都市型ヤンキーの違いについて、裏社会専門ジャーナリストの上野友行氏はこう語る。 渋谷

地方ヤンキーと都市型ヤンキー

「最近でいえば半グレなんかもそうですが、これら都心部の繁華街を拠点にする都市型ヤンキーって、郊外にいる地元密着型のヤンキーと違うルールで成り立っている気がしますけど、基本構造は一緒なんですよ。  渋谷のチーマーなら、渋谷周辺のどこかの中学が母体になっていて、その縄張りが渋谷にあるというだけなんです。新たな仲間も渋谷でワルをスカウトするようなことはせず、地元の人脈から選んでいきます。都市型も地元の身内で固まる狭い世界なんです」  その意味で、都市部の不特定多数の出身者を集め、厳しいルールや掟を課す機能的な集団となるのは、振り込め詐欺や窃盗団、ドラッグの密売といった反社会的組織だという。 「都市型ヤンキーは、そこまではしないんです。地方の地元密着型との違いはビジネスの幅の広さぐらい。地方だと、不良たちの立ち上げるビジネスは建築や自動車関連、あとは飲食ぐらいですけど、都市型の場合、かなり幅広い。ITや金融などといった青年実業家としてメディアに登場するようなビジネスまで手がけますからね。  ヤンキーというのは、学歴優位な社会状況のなか、地元に特化することで生き残ろうとする一種の知恵といっていい。そのため狭い世界でしか生きられなかったんですが、ここ数年、SNSなどが広がったこともあり、それぞれの地域に閉塞していた各地のヤンキーコミュニティが全国規模のネットワークへと変わってきた。  茨城のヤンキーが大阪のヤンキーと交流して一緒に何かをするような動きが強まっているんです。これが、どうなるのか。個人的にはとても注目しています」
裏社会専門ジャーナリスト・上野友行氏

上野友行氏

【裏社会専門ジャーナリスト・上野友行氏】 福岡県出身。風俗情報誌、青年実話誌編集者を経てフリーライターとなる。ヤクザから暴走族まで裏社会系の記事を専門に数多くの媒体に執筆中。著書に『ヤクザライフ』(双葉社)など
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