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中年になった元ヤンキーの今「地元じゃないと働けないわけ」

 2019年6月19日。窃盗、傷害などの疑いで実刑判決が確定した小林誠容疑者は自宅から刃物を振りかざし逃走。悪質な犯罪者である小林容疑者の逃走を手助けしたのは、地元の不良仲間だった。一般人にはうかがい知れないヤンキー社会の掟とは? 社会に出ても街から出ようとしない地元密着型ワル、その生態に迫った。
杉原雅史

千葉県松戸市出身。中学時代から暴走族となった地元のワルたちの顔役。現在は松戸市内で飲食店を経営

地元でしか働けないワルの顔役

杉原雅史さん(仮名・49歳・千葉県松戸市在住) 「小林(誠)もさ、地元なら逃げても何とかなるって気が大きくなったんだろうな。俺もさ、20年前ぐらいかな、深夜にドンドンと扉を叩かれて、何かと思えば、『人を殺した、サツから逃げている、助けてくれ』って中学ん時のツレが来たことあるよ(苦笑)。  まあ、そいつのこと、嫌いだったから追い返したけどな。ただ、人殺しレベルじゃなくて、身内と思っている相手なら助けたよ。ワルとかやっていれば、前科がつくのも珍しくないからさ、そうすると地元じゃないとまともな仕事にありつけないんだよ。逆に言えば地元なら誰かが助けてくれる。地元から出るほうがヤバいんだよ」  松戸市内で会った杉原雅史さん(仮名)は、ワルたちは街から出ないのではなく、「出ていけないんだ」と強調する。 「活動範囲で言えば、俺らは錦糸町が限界だな。総武線なら葛西。それより先の都心部は基本、近づかない。あっちは完全に『外』なんだよ。これが埼玉のワルなら大宮止まり。厚木方面のワルなら町田までだし、神奈川なら川崎より先の都心には行かないな」
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勉強組、スポーツ組と俺らは別の人種……
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