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オダギリジョーが「長編映画監督デビューをした真の理由」を明かす

こういう映画もあるという“映画らしさ”を示したかった

オダギリ:「こういう映画もあっていい」という自分のなかの“映画らしさ”みたいなものというか。もちろんエンターテインメントを否定するつもりはまったくありません。ただ、お客さんを楽しませる作品がある一方で、作家性やアート性を突き詰める作品もあっていい。選択するのはお客さんの自由ですから。偉そうに思われるかもしれませんが、自分がそれを示さないといけない、と勝手に責任を感じていた部分もありました。 ――その言葉通り、シンプルゆえにさまざまな受け取り方が可能な作品だと思いました。 オダギリ:“答え”を渡すことって、簡単じゃないですか。観る側も“答え”を渡されて満足してる気になっているけど、僕は“答え”を探っていく作業のほうが好きだし、自分のなかにしか“答え”がない作品もあってほしいんですよ。脚本を書き上げてから10年間寝かせる形にはなりましたけど、そのぶん、よりテーマ性が高まった気もするんです。 ――確かに10年前と今とでは、私たちを取り囲む社会環境が大きく変化していますね。 オダギリ:ネットの影響によって、映画もテレビも雑誌も、環境が大きく変わりましたよね。「それが時代の流れだ」と言ってしまえばしょうがないのかもしれませんが、時代が変わるその裏で失われていく美しさや大切なものにみんなどこまで気づいているのかな、とも思うんです。 ――その一方で、’06年に主演を務めた深夜ドラマ『時効警察』が12年ぶりに復活します。 オダギリ:もちろんとても嬉しいことですけど、同時に、みなさんこの作品をいまだによく胸に置いてくれているな、っていう感謝の気持ちも強かったですね。監督の三木(聡)さんをはじめ、キャストのみんなもまったく変わってなくて、やりとりも当時のままなので、きっと面白いし満足いただけると思います。ただ、さすがに12年前なのでキャラクターをまったく忘れていて、前のシリーズをちょっと見返しました(笑)。 ※9/3発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【オダギリジョー】 ’76年、岡山県生まれ。’03年『アカルイミライ』で映画初主演。公開待機作に『サタデー・フィクション』(’20年公開予定)、『人間、空間、時間、そして人間』など。10月からは12年ぶりとなる『時効警察』新シリーズ『時効警察はじめました』が放送予定 取材・文/中村裕一 撮影/寺川真嗣 ヘアメイク/シラトリユウキ(UMiTOS) スタイリング/西村哲也 衣装協力/シャツ(JULIUS)、スカート・ジャケット(Yohji Yamamoto)
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
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週刊SPA!9/10号(9/3発売)

表紙の人/ バチェラー・ジャパン

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