高速道路の謎。関越道に最高速度120km予定区間がない!東関道や常磐道もあるのに…
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
高速道路の一部区間の最高速度が、いよいよ正式に120kmに引き上げられる。
これまでは新東名の一部(新静岡-森掛川間)と東北道の一部(花巻南-盛岡南間)で、試験的に時速120kmに引き上げられていたが、死傷事故件数などが大きく変化しなかったため、近く交通規制の基準を改正し、そのうえで、他の区間にも拡大して適用するという。
実際の速度引き上げは、所轄警察が高速道路会社と調整し、各公安委員会の了承を経て行われるが、すでに時速120kmの試行が行われている前述の2区間では、今年度内にも実現するようだ。
新型コロナウイルス感染症によって、移動の自由が事実上制限され、多くの人が改めてその重要性を感じているが、高速道路の最高速度の引き上げも、カーマニア的には自由の拡大にほかならず、非常にうれしい。
こういった現実に即した交通規制への変化は、2013年に古屋圭司国家公安委員長(当時)が、「交通違反取締、最高速度の取締のあり方を根本的に変えていく」と発言したことがきっかけになったと認識している。古屋氏に感謝したい。
具体的な引き上げ区間は以下の通りだ。
<最高速度120km試行済み区間>
東北道/花巻南-盛岡南間(27km)
<最高速度120km区間を延長する路線>
新東名/御殿場JCT-浜松いなさJCT間(144km)
<新規追加区間>
東北道/浦和-佐野スマートIC間(52km)
常磐道/柏-水戸間(71km)
東関東道/千葉北-成田JCT間(26km)
日本には設計速度120km区間が約700kmもある!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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